アジア系ファンド・ヒルハウスがベイン幹部を採用 日本投資を本格化へ=関係者
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Miho Uranaka Julie Zhu
[東京 4日 ロイター] - シンガポールや中国を拠点とするプラベート・エクイティ(PE)ファンド、ヒルハウス・インベストメント・マネジメントが、日本での投資を本格化するのに伴いベインキャピタルのパートナーである菊田知裕氏をチームの責任者として採用する方針を固めた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
地政学的に安定しているとされる日本では、低金利、円安基調、企業統治改革が進むのを背景に海外のPEファンドが投資を拡大する中、日本チームの人員増強が活発化している。
ベイン・キャピタルに2017年から在籍している菊田氏は、数カ月以内に同職に就任し、日本チームを本格的に立ち上げる。関係者のうち1人によると、約20人程度のチームを率いることになるという。ヒルハウスは現在、東京のシェアオフィスを拠点としているが、来年前半にもオフィスを設立する予定だ。
ヒルハウス、ベインはコメントを控えた。菊田氏からは、ロイターによるコメント要請への返信がきていない。
米カーライル・グループやウォーバーグ・ピンカスも日本での人員増強を検討している。アジアを中心に活動するファウンテンベスト・パートナーズ(方源資本)も7月、ベインキャピタルで投資案件の発掘を手掛けていた林剣太氏を代表に招聘し、日本への投資を拡大する。
コンサルタント会社ベイン・アンド・カンパニーによると、日本は昨年、アジア太平洋地域におけるプライベート・エクイティ案件の最大市場となり、案件総額の30%を占めた。
05年にシンガポールで設立されたヒルハウスは、テンセント・ホールディングス(騰訊控股)、JDドットコム(京東商城)、バイドゥといった中国のハイテク大手への投資で知られている。2009年には日本への投資を開始しており、24年には、東証プライム上場の不動産開発会社サムティホールディングスを買収している。