アマゾン、AI設計のCO2除去素材を試験へ データセンター向け
アマゾン・ドット・コムは2日、データセンターで炭素除去材を試験的に導入する計画を発表した。写真はアマゾンのロゴ。昨年6月、フランス・パリで撮影(2024年 ロイター/Gonzalo Fuentes)
Jeffrey Dastin
[2日 ロイター] - アマゾン・ドット・コムは2日、データセンターで炭素除去材を試験的に導入する計画を発表した。人工知能(AI)普及に伴う電力消費増で、二酸化炭素(CO2)排出増加リスクが高まっていることが背景。
スタートアップ企業オービタル・マテリアルズのジョナサン・ゴドウィン最高経営責任者(CEO)は、同社のAIがこの炭素ろ過物質を設計したとし、炭素除去素材について「原子レベルではスポンジのようなものだ」とロイターに語った。「スポンジの各空洞には、CO2とよく相互作用する特定の大きさの開口部があり、他のものとは作用しない」という。
コスト削減の可能性も魅力の一つ。ゴドウィン氏によると、新素材のコストは高性能AIのトレーニング用GPUチップ1時間当たりレンタル料金の約10%に過ぎない。
データセンターでは、AI開発を維持するためのエネルギーと冷却用の水を大量に必要とする。これは、2040年までに炭素排出量を実質ゼロにすることを目標とするアマゾンのような企業にとって課題となっている。
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)はオービタルとの3年間の契約の一環として、25年にデータセンター1カ所でこの新素材の試験運用を開始する予定だという。