米アムジェンの肥満症薬、試験結果が期待に届かず
11月26日、米バイオ医薬品会社アムジェンは同社が開発する肥満症治療薬「マリタイド」について、中期臨床試験で太り過ぎあるいは肥満症の患者の体重を最大20%減らしたが、試験結果は投資家の高い期待に応えることはできなかったと発表した。これを受け、同日の株価は4.8%下落した。写真は米カリフォルニア州の同社本社。2019年11月撮影(2024年 ロイター/Deena Beasley)
Bhanvi Satija Deena Beasley
[26日 ロイター] - 米バイオ医薬品会社アムジェンは26日、同社が開発する肥満症治療薬「マリタイド」について、中期臨床試験で太り過ぎあるいは肥満症の患者の体重を最大20%減らしたが、試験結果は投資家の高い期待に応えることはできなかったと発表した。これを受け、同日の株価は4.8%下落した。
アナリストらは、マリタイドの減量効果は現在販売されているデンマーク製薬大手ノボノルディスクの「ウゴービ」やイーライリリーの「ゼップバウンド」と同等だが、副作用がやや多いと指摘した。
試験では、体重がノボノルディスクのウゴービは68週間で15%、ゼップバウンドは72週間で22%強、それぞれ減少した。
試験データによると、マリタイドを投与した患者の約11%が副作用を理由に試験から離脱した。JPモルガンのアナリスト、クリス・ショット氏の分析に基づくと、この割合はゼップバウンドの後期試験では約6%だった。
同氏は「マリタイドは明らかに有効で、投与回数も減るが、このクラスの薬剤の有効性のハードルはますます高くなっている」と指摘した。
アムジェンは吐き気と嘔吐の症状は軽度で、投与量が増すにつれて大幅に減少したと説明した。
市場は、マリタイドの結果が期待していたほど良好ではなかったことに失望した形。
それでもアムジェンは、マリタイドは患者に既存の治療法よりも簡便な投与方法を提供できるとして、市場規模が1500億ドルに達する可能性のある肥満症薬市場の一角を占めることに期待を寄せている。