仏政府、アトスの先進コンピューティング事業買収を提案 5億ユーロ
フランスのIT企業アトスは25日、同社の先進コンピューティング事業をフランス政府が5億ユーロ(5億2400万ドル)で買収する方向で交渉を開始したと表明した。写真はアトスのロゴ。フランスで4月撮影。(2024年 ロイター/Stephane Mahe/File Photo)
Alban Kacher
[25日 ロイター] - フランスのIT企業アトスは25日、同社の先進コンピューティング事業をフランス政府が5億ユーロ(5億2400万ドル)で買収する方向で交渉を開始したと表明した。
アトスはフランスの軍やシークレットサービスの通信を保護しているほか、スーパーコンピューター向けのサーバーを製造しているが、多額の負債を抱え再編を進めている。
政府はアトスの戦略的技術を国内で管理するため、数カ月前から協力を進めてきた。
同社は、独占交渉期間が終了する5月31日までに株式売買契約を締結することが目標だと表明。契約締結時にまず1億5000万ユーロが支払われると述べた。
買収額はアーンアウト(条件付き取得対価)を含め、6億2500万ユーロに引き上げられる可能性があるという。
アトスはかつて欧州のIT最大手の一角を占めるとみられていたが、数カ月前から経営危機に見舞われている。
アルマン経済・財務相は25日、「わが国の主権にとって最も戦略的な産業活動の永続性と発展を、正当化される場合には株主として保証することがフランス国家の役割だ」と述べた。