米銀の企業向け・消費者向け融資ともに需要軟化=FRB調査
米連邦準備理事会(FRB)が11月12日に発表した第3・四半期の銀行融資担当者調査によると、米銀の主要部門となっている企業向け融資に対する需要が弱まり、消費者向けのクレジットカードローンや自動車ローンの需要も軟化した。2022年6月、ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Sarah Silbiger)
[12日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が12日に発表した第3・四半期の銀行融資担当者調査によると、米銀の主要部門となっている企業向け融資に対する需要が弱まり、消費者向けのクレジットカードローンや自動車ローンの需要も軟化した。
FRBは先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合連続の利下げを決定し、政策金利を4.50―4.75%へ引き下げた。政策金利は9月の利下げ開始以降で0.75%ポイント低下したが、調査結果は多くの人々が期待していた融資需要や取引条件の改善にはまだ至っていないことを示した。
大企業および中堅企業からの融資需要を示す指数はマイナス21.3%となり、第2・四半期のゼロから低下。中小企業の融資需要の指数もマイナス18.6%となり、第2・四半期のゼロから下げた。
消費者向けのクレジットカードローンの需要を示す指数はマイナス2.1%となり、第2・四半期のプラス2.0%から悪化。自動車ローンはマイナス12.8%となり、第2・四半期のマイナス10.4%から下げ幅を広げた。
銀行は大企業向けの貸し出し条件を据え置いた一方、多くが中小企業向けの貸し出し条件を厳格化した。商業用不動産部門では与信条件、ローン需要ともに弱まった。
消費者向けクレジットカードローンの貸し出し条件を引き締めた銀行の純増数は約2年ぶりの低水準となった。一方、自動車ローンの貸し出し条件を厳格化した銀行の割合は増加した。住宅ローンの貸し出し条件はほぼ変わらなかったが、住宅ローン金利が上昇したのを背景に需要が弱まった。
FRBのパウエル議長は先週、今後の利下げにはより注意深い姿勢で進める方針を示していた。