ユーロ圏企業、利益率への圧力続く見通し=ECB調査
11月7日、欧州中央銀行(ECB)が公表した「企業向け金融アクセス調査」によると、ユーロ圏企業は今四半期も売上高の増加が続くと予想しているが、賃金上昇率は値上げ率を上回る見通しで利益率は引き続き圧迫されている。 独フランクフルトで7月18日撮影(2024年 ロイター/Jana Rodenbusch)
[フランクフルト 7日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が7日公表した「企業向け金融アクセス調査」によると、ユーロ圏企業は今四半期も売上高の増加が続くと予想しているが、賃金上昇率は値上げ率を上回る見通しで利益率は引き続き圧迫されている。
ユーロ圏企業の利益率は近年、異例の高水準を記録していたが、足元では大幅に低下しており、人員削減につながるとの懸念が浮上している。
ECBは「あらゆる規模の企業で依然として広範にコスト圧力が存在することが浮き彫りとなった」とし「企業は前回調査との比較で引き続き利益の悪化を報告している」と述べた。
調査は約1万3000社を対象に実施。調査対象企業の大半は従業員数が250人未満だった。
企業は今後1年で販売価格が3%上昇すると予想。賃金については3.5%上昇すると予想している。
企業が予想する販売価格の上昇率はECBのインフレ目標(2%)を大幅に上回る。企業は1年後、3年後、5年後のインフレ率を2.9%と予想している。
企業は、第3・四半期に銀行融資の必要性が減少したが、前四半期よりも融資を受けやすくなったと報告。ただ今後3カ月間については銀行融資の利用可能性について楽観的な見方が減った。