クーグラーFRB理事、倫理規定に抵触 配偶者が株購入
10月31日、米連邦準備理事会(FRB)のクーグラー理事(写真)は、自身の知らない間に配偶者がアップル株などを購入し、FRBの新たな倫理規定に抵触したことを明らかにした。写真は3月、カリフォルニア州パロアルトで撮影(2024年 ロイター/Ann Saphir)
Michael S. Derby
[31日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクーグラー理事は、自身の知らない間に配偶者がアップル株などを購入し、FRBの新たな倫理規定に抵触したことを明らかにした。
倫理規定ではFRB関係者の金融取引が厳しく規制されており、事前に倫理担当者の承認を受けることが義務付けられている。規定はFRB高官の配偶者と未成年の子どもにも適用される。
クーグラー氏は、自身の知らない間に配偶者がアップルと飲食店経営カバ・グループの株式を購入したと報告。配偶者は規定に違反する意図はなく、倫理担当者に直ちに相談した上で株式の売却を開始したと述べた。10月24日に提出した文書で明らかにした。
株式の購入は今年夏に4回行われ、1回当たりの購入額は1001─1万5000ドルの範囲内だった。
FRBの報道官は「(クーグラー氏が)倫理部門に報告し、指示に基づいて行動したことを確認する」とコメントした。
FRBでは、地区連銀総裁2人が金融政策の決定に関わる立場でありながら積極的な金融取引を行っていたことが開示資料で明らかになり、批判を浴びる中で2021年に退任した経緯がある。
アトランタ地区連銀のボスティック総裁も倫理規定で禁じられていた期間中に私的な金融取引を行っていたことが判明したが、FRBの監察総監室は、投資に際してFRBの極秘情報が利用された形跡はないとの判断を示した。
現在の倫理規定は22年初めに導入されたものだが、現在も規定の厳格化に向けた作業が進められている。