英総合PMI、10月は11カ月ぶり低水準 予算案巡る不透明感が圧迫
10月24日、 S&Pグローバルがまとめた10月の英国の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は11カ月ぶりの低水準となった。英コベントリーのタクシー車両工場で2023年1月撮影(2024年 ロイター/Phil Noble)
[ロンドン 24日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた10月の英国の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は11カ月ぶりの低水準となった。労働党政権が初めて発表する予算案を巡る不透明感が企業マインドを冷やし、今年初めて採用を縮小した。
総合PMIは51.7。好不況の分かれ目である50を上回ったものの、9月の52.6から低下し2023年11月以来の低水準となった。
サービスPMIは51.8と11カ月ぶりの低水準。製造業PMIも、輸出受注の急減で6カ月ぶり低水準の50.3となった。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、PMIは10月の成長率が四半期ベースで0.1%にとどまったことを示唆するとし「予算案発表時に示された政策が、今後数カ月の経済の方向性に大きく影響する可能性がある」と述べた。さらに中東紛争やウクライナ戦争、米大統領選を巡る不確実性が、企業の景気の先行きに対する不安を増大させていると指摘した。
10月のPMIは、企業のコスト圧力の緩和を示した。投入価格指数は57.8に低下し20年12月以来の低水準となった。雇用は昨年12月以来初めて減少。サービス業は13カ月ぶりの大幅減となった。
ウィリアムソン氏は「投入コストインフレが一段と緩和し、イングランド銀行(英中央銀行)は現在の景気減速がさらに定着すれば、より積極的な利下げ姿勢に転じる可能性が出てきた」と述べた。