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NY外為市場=ドル上昇、米小売売上高受け ECB利下げでユーロ下落

2024年10月18日(金)06時16分

ニューヨーク外為市場ではドルが一時11週間ぶり高値を更新した。2022年7月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 17日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが一時11週間ぶり高値を更新した。17日発表された米小売売上高は、米経済が底堅さを維持している様子を示唆すると同時に、連邦準備理事会(FRB)が今後1年半にわたり緩やかな利下げを実施するという見方を支えた。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.3%高の103.81。一時、8月2日以来の高値となる103.87を付ける場面もあった。

ドル/円は8月1日以来初めて150円を上抜け、0.4%高の150.24円。

マネーコープの北米ストラクチャードプロダクツ責任者ユージン・エプスタイン氏は「基本的に10月に入ってから見られる状況の継続」と指摘。「予想以上に強いデータを受け、ドルは上昇している。9月にFRBが0.5%ポイントの利下げを実施した時点では、ドルは弱含んでいたが、現時点でそれは解消されつつある」と述べた。

9月の米小売売上高は前月比0.4%増となった。市場予想の0.3%増を若干上回り、第3・四半期も経済が力強い成長を維持したとの見方を裏付けた。

また、10月12日までの1週間の新規失業保険申請件数は前週比1万9000件減の24万1000件と、予想外に減少した。

ユーロ/ドルは一時、11週間ぶり安値となる1.0811ドルを付けた後、終盤は0.3%安の1.0826ドル。

欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏でインフレが一段と抑制される一方、景気見通しは悪化しているとの認識を示し、中銀預金金利を0.25%ポイント引き下げ3.25%とした。利下げは今年3回目。

関係筋によると、ECBは向こう数週間で経済指標に大きな変化がない限り、12月の次回理事会で今年4回目となる利下げを決定する可能性が高い。

LSEGによると、米金利先物市場では、FRBが92%の確率で11月に25ベーシスポイント(bp)利下げを実施するという見方が織り込まれている。今年は計約44bp、2025年にはさらに105bpの利下げが見込まれている。

約3週間後に迫る米大統領選も注目される。賭けサイト「ポリマーケット」は、共和党候補トランプ前大統領が勝率する確率が上昇している。

前出のマネーコープのエプスタイン氏は「トランプ氏勝利の可能性が高まったためドルを買うという『トランプトレード』が戻って来た」と指摘した。

トランプ氏の減税策や金融規制緩和、関税引き上げといった計画によってアジアや欧州の輸出国の成長にマイナスの影響が及び、これらの国が利下げに動けばドルが押し上げられる可能性があるため、トランプ氏の勝利はドルへの追い風になるとみられている。

ドル/円 NY終値 150.20/150.22

始値 149.62

高値 150.32

安値 149.47

ユーロ/ドル NY終値 1.0831/1.0832

始値 1.0864

高値 1.0873

安値 1.0812

ロイター
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