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NY外為市場=PCE受けドル下落、自民新総裁に石破氏当選で円上昇

2024年09月28日(土)06時32分

ニューヨーク外為市場ではドルが下落。8月の米個人消費支出(PCE)価格指数の伸びが鈍化したことに反応した。一方、円は上昇した。岸田文雄首相の後任となる自民党総裁に、金融政策でタカ派とされる石破茂元幹事長が選出されたことが材料視された。(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 27日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが下落。8月の米個人消費支出(PCE)価格指数の伸びが鈍化したことに反応した。一方、円は上昇した。岸田文雄首相の後任となる自民党総裁に、金融政策でタカ派とされる石破茂元幹事長が選出されたことが材料視された。

8月のPCE価格指数は前年比2.2%上昇した。伸びは前月の2.5%から鈍化し、2021年2月以来、約3年半ぶりの低水準となった。

アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はいくぶん安堵(あんど)のため息をつけるだろう」と指摘。PCE統計は、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%ポイントの利下げの決定を「正当化している」と述べた。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.17%安の100.43。一時、2023年7月20日以来の安値となる100.15まで下落した。週足ではドルは約0.2%安と、4週連続での下落となる見通し。

ユーロ/ドルは0.14%安の1.116ドル。

CMEのフェドウオッチによると、市場では現在、11月のFOMCで少なくとも0.25%ポイント利下げが実施される確率を完全に織り込んでいる。0.50%ポイント利下げの確率はPCE発表後、56.7%に上昇した。

円は対ドルで1.88%高の1ドル=142.12円。一時、142.09円を付ける場面もあった。1日としては8月2日以来の大幅な伸びを記録する見通し。週足では、ドルは対円で1.25%下落した。

ユーロ/円も1.95%安の158.67円。

自民党総裁選は決戦投票の結果、石破氏が高市早苗経済安保相を破り、第28代総裁に選出された。石破氏は10月1日に召集される予定の臨時国会での首相指名選挙を経て、第102代の首相に就任する見通し。

また、フランスやスペイン発の低調なインフレ指標を受け、市場が見込む欧州中央銀行(ECB)が10月に利下げを実施する確率は90%超に高まった。

ドルはオフショア人民元に対しては0.11%高の6.979元。

中国人民銀行(中央銀行)は27日、金利を引き下げ、銀行システムに流動性を注入した。経済成長率を今年の目標である5%前後に引き戻すため、最終四半期入りを目前に景気刺激策を導入した。

ドル/円 NY終値 142.19/142.20

始値 143.22

高値 143.36

安値 142.08

ユーロ/ドル NY終値 1.1163/1.1164

始値 1.1163

高値 1.1202

安値 1.1147

ロイター
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