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日経平均は3万7000円回復、FOMC後の円安支援 一時900円超高

2024年09月19日(木)11時10分

 19日の東京市場で日経平均は買いが先行し、寄り付き直後に3万7000円を回復した。写真は東京証券取引所の建物。2020年10月、都内で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Noriyuki Hirata

[東京 19日 ロイター] - 19日の東京市場で日経平均は買いが先行し、寄り付き直後に3万7000円を回復した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、ドル/円が円安方向に振れたことが相場を支援している。寄り付き後も前日比で900円超高に上値を伸ばし、高値圏でのもみ合いが続いている。

主力株はトヨタ自動車が大幅高のほか、ソニーグループが堅調。日経平均への寄与度の高い東京エレクトロンなどの半導体関連株は総じて強い。

米国が利下げすれば為替が円高方向に振れかねないと警戒されていたが「ひとまず円高が回避されたことはポジティブ」(インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジスト)との受け止めが先行した。足元でドル/円は、前日の大引け時点から約2円高い143円半ばで推移している。

FOMC通過後に米金利が上昇した流れから、円債先物は売り先行でスタート。国内の長期金利が前日比2.5ベーシスポイント(bp)上昇の0.845%となる中、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株や保険株といった金融株もしっかりとなっている。

為替市場では「日銀会合や自民党総裁選挙などを見極める必要はあるが、織り込み過ぎた米利下げ期待が後退する形で、ドルは買い戻し圧力が高まりやすい状況だとみている」と、バークレイズ証券の門田真一郎為替債券調査部長は話す。

今回のFOMCを巡っては、0.5%の大幅利下げは完全に織り込まれていたわけではなく、ハト派的との受け止めがある一方、先行きに関して、必ずしも利下げを急がない姿勢を示した。バークレイズの門田氏は、今後も0.5%の大幅引き下げを含めて、利下げが続くとみていた市場予想に対してはタカ派的と受け止められたとして「全体的に見れば、タカ派的との受け止めが優勢となったようだ」とみている。

<あすの日銀会合を前に伸び悩みも>

ドル/円が上昇基調を継続しており、株価も次第に上値を伸ばしているが、いったん伸び悩む場面もあった。日銀の金融政策決定会合の結果発表と総裁会見をあすに控えており「植田和男総裁は過度なタカ派発言を控えるだろうが、前回会合後に株安となった経緯を踏まえると、目先はポジションの傾けにくさが残る」(インベスコAMの木下氏)との声は多い。

今週の日銀会合での利上げはないだろうと関西みらい銀行の石田武ストラテジストはみている一方、10月会合については「ライブ」(政策変更の可能性が意識される)ではないかと指摘。現時点では10月の利上げ可能性はほとんど市場で織り込まれておらず、明日の植田(和男)日銀総裁の記者会見で「経済はオントラック」や「パニック的な市場混乱は収束しつつある」といった情報発信が行われる可能性に注目していると関西みらい銀の石田氏は話している。

ロイター
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