UBSアセット、社債の運用縮小 米選挙などリスク警戒
UBSアセット・マネジメントのシニア・ファンド・マネジャーは、グローバル・ポートフォリオの社債を売却していると述べた。チューリヒで昨年3月撮影。(2024年 ロイター/Denis Balibouse/File Photo)
[ロンドン 12日 ロイター] - UBSアセット・マネジメントのシニア・ファンド・マネジャーは、グローバル・ポートフォリオの社債を売却していると述べた。社債はこの2年、堅調な動きをしているが、景気減速や11月の米大統領選挙に関連してボラティリティが上昇し、リターンが帳消しになることを懸念している。
ICE・BofA米社債指数は2年で14%上昇。国債との利回り差、いわゆる信用スプレッドは2022年初頭以来の小ささに縮小した。
UBSアセット・マネジメントの英国債券部門責任者ジョナサン・グレゴリー氏は11日、スプレッドが小さいということは、投資家が歴史的に不安定な資産クラスを保有するリスクに対して十分な対価を得ていないことを意味すると指摘。
「クレジット市場のプライシングは完璧に近いものの、軌道を逸脱させる要因はいくらでもある」と述べた。
「米国の景気後退リスクが高まれば、信用スプレッドはアンダーパフォームする」と述べ、景気後退は基本シナリオではないとしながらも、米大統領選の不透明感は警戒すべき要因とした。
グレゴリー氏は、約300億ドルのグローバル・ファンドの運用を統括している。市場環境が良好だが、米欧の投資適格債やハイイールド債などを売却しているという。
「どんなクレジットも保有するなとは言わない。警戒すべきだということだ」と述べた。
同氏は期間が短めの政府債を選好。「国債市場は他の市場が不安定になった場合、良いインカムや安全を提供してくれる」と述べた。
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