都区部コアCPI、8月は+2.4% エネルギー価格の伸び率拡大
総務省が30日に発表した8月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は107.9と、前年同月比2.4%上昇した。2022年10月、都内のスーパーマーケットで撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Takahiko Wada
[東京 30日 ロイター] - 総務省が30日に発表した8月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は107.9と、前年同月比2.4%上昇した。エネルギー価格の上げ幅が拡大し、コアCPIの伸び率は前月の2.2%を上回った。伸び率拡大は4カ月連続。
ロイターがまとめた民間予測(同2.2%上昇)を上回った。
エネルギー価格の上昇率は17.4%で、前月の14.5%から拡大した。電気代は24.2%上昇、都市ガス代は16.9%上昇といずれも前月の伸び率を上回った。政府の電気・ガス価格激変緩和対策事業に伴う押し下げ効果が7月分からなくなっている。
家庭用耐久財は11.2%上昇で前月の7.9%上昇を上回った。猛暑に伴う需要増でルームエアコンが19.7%上昇したほか、新商品の発売時期が前年とずれたことで電気炊飯器が38.5%の大幅上昇となった。
生鮮食品を除く食料は2.7%上昇となり、前月の2.6%上昇を小幅に上回った。伸び率が前月を上回るのは2023年7月以来。昨年の猛暑による生育不良や外食需要の高まりでうるち米(コシヒカリを除く)が28.2%上昇、産地での需給ひっ迫や円安で牛肉(輸入品)が14.7%上昇した。
コア対象522品目のうち、上昇は354品目、下落は106品目、変わらずが61品目、非調査対象が1品目。
<コアコアCPI、先行きは鈍化傾向との指摘も>
生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は1.6%上昇と前月の1.5%上昇を小幅に上回った。サービス価格が伸び率を拡大し、0.7%上昇となったことが要因とみられる。一般サービスの通信・教養娯楽関連や外食が伸び率を拡大した。
コアコアCPIは伸び率を拡大したが、みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介主席エコノミストは、先行き2%を下回って鈍化傾向で推移する可能性が高いと話す。「人件費の上昇や既往の円安が押し上げ要因になる一方で、個人消費の弱さを背景に価格転嫁に慎重姿勢が残ることが重しになる」とみている。
内閣府が29日に発表した8月消費動向調査によると、消費者態度指数(2人以上の世帯・季節調整値)は前月から横ばいの36.7。賃上げが波及する中でも、消費マインドは上向いていないことが示された。