ニュース速報
ビジネス

米デル、通年見通しを上方修正 旺盛なAIサーバー需要で

2024年08月30日(金)10時04分

8月29日、米デル・テクノロジーズは、人工知能(AI)搭載サーバーの需要増を踏まえ、通年売上高と利益の見通しを上方修正した。写真は同社のロゴ。ロサンゼルスで開かれたエキスポ会場で2017年6月撮影(2024年 ロイター/ Mike Blake(

Jaspreet Singh

[29日 ロイター] - 米デル・テクノロジーズは29日、通年の売上高・利益見通しを上方修正した。エヌビディアの高性能チップを搭載した人工知能(AI)向けサーバーの需要増加が背景。引け後の時間外取引でデルの株価は約3%上昇した。

デルは通年売上高見通しを従来の935億─975億ドルから、955億─985億ドルに引き上げた。また、通年調整後1株利益見通しを7.80ドル(プラスマイナス0.25ドル)とし、従来予想の7.65ドルから引き上げた。

この日発表した第2・四半期(8月2日終了)決算は、売上高が約9%増の250億3000万ドルで、LSEGデータに基づくアナリスト予想平均の241億4000万ドルを上回った。調整後1株利益は1.89ドルで、予想の1.71ドルを上回った。

AIに最適化されたサーバーへの需要は前期比約23%増の32億ドルとなった。AIサーバーの受注残は38億ドルだった。

ストレージやソフトウエア、サーバーなどを扱うインフラストラクチャー・ソリューションズ・グループの売上高は約38%増の116億5000万ドルで、過去最高を記録した。

ジェフ・クラーク最高執行責任者(COO)は決算発表後の電話会見で、「多くの企業が依然としてAI導入の初期段階にあり、法人向けは当社にとって引き続き重要な機会となる」と述べた。

また、世界各国政府とデルの強力な関係を活用することで、国家が独自にAIを構築・運用する「ソブリンAI」に新たな機会が生まれるとの見方を示した。

一方、パソコン(PC)関連の顧客ソリューションズ・グループの売上高は約4%減の124億1000万ドルだった。

ガートナーのアナリスト、北川美佳子氏は、デルが第2・四半期に複数の主要PC出荷市場でシェアを落としたと指摘。デルは米ビジネス市場ではトップベンダーだが、競合他社が1年前よりもシェアを伸ばしていると述べた。

ただ、AI搭載パソコンは企業顧客の需要が旺盛で、マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」のサポート終了を控える来年には強力なアップグレードサイクルが見込まれている。

第2・四半期にはリストラ関連費用として3億2800万ドルを計上した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市氏「低金利続けるべき」、追加利上げをけん制=自

ワールド

アングル:「世界の工場」目指すインド、ライバル中国

ワールド

焦点:トランプ陣営、激戦州勝利へ賭けの戦略 照準は

ワールド

トランプ氏、移民強制送還を表明 オハイオの「ペット
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 4
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 5
    世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何な…
  • 6
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 7
    ウクライナ「携帯式兵器」、ロシアSu-25戦闘機に見事…
  • 8
    クルスク州「重要な補給路」がHIMARSのターゲットに.…
  • 9
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 10
    ロック界のカリスマ、フランク・ザッパの娘が語る「…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 3
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 4
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が…
  • 5
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 6
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 7
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 8
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...…
  • 9
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 10
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 10
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中