米PCE価格指数、6月は+2.5%に伸び鈍化 インフレ改善を示唆
米商務省が26日発表した6月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.5%上昇し、前月の2.6%から鈍化した。首都ワシントン近郊のスーパーマーケットで2022年撮影。(2024年 ロイター/Sarah Silbiger/File Photo)
[ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した6月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.5%上昇した。前月の2.6%から鈍化し、過去4カ月で最小の伸びとなった。インフレ状況の改善が示され、米連邦準備理事会(FRB)は9月に利下げに着手できる見通しだ。
PCE価格指数は前月比で0.1%上昇、5月は横ばいだった。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年比は2.6%上昇で、伸びは前月と同じだった。
コアPCEの前月比は0.2%上昇。前月は0.1%上昇だった。
ロイター調査によるエコノミスト予想は、総合・コアとも前月比0.1%上昇、前年比2.5%上昇だった。
<9月利下げ観測高まる>
LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「インフレは引き続き鈍化し、緩やかなペースでFRBの目標に近づいている」と指摘。「FRBは(来週の)次回会合で、雇用の減速を9月会合での利下げ理由の1つとして強調することが予想される」と述べた。
フィッチ・レーティングスの米国経済調査責任者、オル・ソノラ氏は、これまでの3カ月間に見られた進展が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)まで維持されるかが重要になるとした上で、「このところの労働市場の動向を踏まえると、FRBは来週のFOMCで9月会合での利下げに向けた準備を整える可能性が高い」と指摘。
ネイションワイドのチーフエコノミスト、キャシー・ボスティアンチッチ氏は「第1・四半期のインフレ急上昇が一時的なものだったことが示された」とし、「賃貸料の伸びが減速すれば、インフレ率は再び持続的な低下トレンドに戻る」との見方を示した。
<財価格は下落、サービス価格は上昇>
モノの価格は0.2%下落。前月は0.4%下落していた。
自動車・部品は0.6%下落。家具など耐久的な家財道具は3カ月連続、衣料品は2カ月連続で下落した。一方、その他の耐久消費財は1.8%上昇した。
ガソリンやその他のエネルギー商品は3.5%下落。前月は3.4%下落していた。
一方、サービス価格は0.2%上昇。伸びは前月と同じだった。
住宅費や公共料金は0.2%上昇したものの、上昇ペースは前月の0.4%から鈍化し、2023年3月以来最小となった。
金融サービス、保険は0.3%上昇。一方、輸送サービスは3カ月連続で下落した。
<個人消費増加、貯蓄率低下>
米経済活動の3分の2以上を占める個人消費支出は0.3%増。5月は0.4%増だった。
内訳では、サービス支出が0.4%、モノへの支出が0.1%、それぞれ増加した。
インフレ調整後の消費支出は0.2%増。前月は0.4%増だった。
個人所得は0.2%増。5月は0.4%増だった。賃金は0.3%上昇した。前月は0.6%上昇していた。
貯蓄率は前月の3.5%から3.4%に低下し、22年12月以来の低水準を付けた。