ニュース速報
ビジネス

東京コアCPI、7月は+2.2% コアコアは2022年8月以来の低い伸び

2024年07月26日(金)10時38分

 7月26日、総務省が発表した7月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は107.4と、前年同月比2.2%上昇した。浅草寺で22日撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Takahiko Wada

[東京 26日 ロイター] - 総務省が26日に発表した7月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は107.4と、前年同月比2.2%上昇した。政府の電気・ガス価格激変対策による押し下げがなくなったことでエネルギー価格の伸び率が急拡大し、コアCPIの伸び率は6月の2.1%を上回った。

一方で、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は1.5%上昇となり、前月の1.8%上昇を下回った。2022年8月以来の低い伸び率。生鮮食品を除く食料や宿泊料の伸び縮小が重しとなった。

コアCPIはロイターがまとめた民間予測(同2.2%上昇)に一致した。

エネルギー価格は14.5%上昇で、伸び率は前月の7.5%から急拡大した。23年1月以来の高い伸び率。電気代は19.7%上昇、都市ガス代は11.9%上昇といずれも前月の伸び率を大きく上回った。

政府の電気・ガス価格激変緩和対策事業により、6月は総合指数を0.23%ポイント押し下げていたが、同事業の終了で7月分から押し下げ効果がなくなった。

一方、生鮮食品を除く食料は2.6%上昇で前月の3.0%上昇を下回った。

宿泊料は10.3%上昇と、前月の19.9%上昇を大幅に下回った。前年7月は全国旅行支援の適用日数や実施自治体が同6月より少なく、宿泊料が高めになっていた。観光需要や人手不足といった宿泊料の押し上げ要因に変化はないとみられる。

携帯電話の通信料は0.6%上昇、前月の8.8%上昇から大幅に伸び率が縮小した。前年7月の一部会社の料金プラン改定による押し上げ効果が一巡した。

コア対象522品目のうち、上昇は352、下落は105、変わらずは64、非調査対象が1。

財・サービス別では、財価格が4.1%上昇で前月から伸び率が変わらず。一方、サービス価格は0.5%上昇で前月の0.9%上昇を下回り、22年9月以来の低い伸び率となった。宿泊料の上昇率が大きく縮小したことが要因とみられる。

<外食・宿泊料、伸び率崩れず「岩盤化」>

みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介主席エコノミストは、サービス価格のうち、一般外食価格や宿泊料の伸びはここから大崩れすることはなく「岩盤化する可能性が高い」とみる。

外食は前年比3%弱の伸びを維持しているほか、宿泊料も、前年の全国旅行支援の影響で上昇率が鈍化したものの10%以上の伸びを維持。双方ともインバウンド(訪日客)需要の増加や人手不足を背景に需給のタイト化が顕著で「先行きも旺盛な訪日需要が見込まれる」とした。

酒井氏は外食や宿泊以外のサービス品目でも、家事関連サービスなどで徐々に価格上昇の広がりが見られており、「こうした動きが今後も広がるかどうかがポイントになる」と話した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア国営TV、米有権者をトランプ氏に誘導か=米情

ワールド

アングル:ハリス対トランプ」TV討論会、互いに現状

ワールド

SNS、ロシア影響下疑惑の投稿にほぼ未対応

ワールド

アングル:サウジに「人権問題隠し」批判、eスポーツ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本政治が変わる日
特集:日本政治が変わる日
2024年9月10日号(9/ 3発売)

派閥が「溶解」し、候補者乱立の自民党総裁選。日本政治は大きな転換点を迎えている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 2
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...「アフリカの女性たちを小道具として利用」「無神経」
  • 3
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が増加する」農水省とJAの利益優先で国民は置き去りに
  • 4
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 5
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 6
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 7
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 8
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 9
    川底から発見された「エイリアンの頭」の謎...ネット…
  • 10
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 1
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つの共通点
  • 4
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 5
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 6
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 7
    再結成オアシスのリアムが反論!「その態度最悪」「…
  • 8
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 9
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 10
    世界最低レベルの出生率に悩む韓国...フィリピンから…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中