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「中小企業にも賃上げに広がり」、日銀がリポートで公表へ=関係筋

2024年07月05日(金)17時35分

日銀が、中小企業にも広く賃上げが波及しているとの調査結果をまとめたリポートを月内にも公表する見通しであることが分かった。写真は都内で2020年4月撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Leika Kihara

[東京 5日 ロイター] - 日銀が、中小企業にも広く賃上げが波及しているとの調査結果をまとめたリポートを月内にも公表する見通しであることが分かった。賃金と物価の好循環を目指してきた日銀にとって、追加利上げの是非を判断する際の材料の1つになるとみられる。

8日の支店長会議で発表する「地域経済報告(さくらリポート)」の別冊の位置づけで、全国の支店が実施した調査とヒアリングに基づく。支店長会議当日ではなく、後日公表する見通し。

日銀の考えに詳しい関係者3人によると、さくらリポートも別冊リポートも、今年の春闘で大企業を中心に高い賃上げ率が実現したことや深刻化する人手不足を受け、賃上げする中小企業が全国的に増えていることを指摘する可能性が高い。

リポートの内容は、日銀が今月30─31日に開く金融政策決定会合の材料になるとみられる。日銀が3月にゼロ金利政策を解除した際、春闘の第1次集計で基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた平均賃上げ率が5%を超える強い結果となったことが決め手の1つになった。

連合が今月3日に発表した最終集計は、定昇込みの平均賃上げ率が5.10%、このうち300人未満の中小組合3816組合では4.45%となった。しかし、中小企業は労働組合の組織率が非常に低く、連合の集計値では中小企業にまで賃上げが波及しているのか把握は困難との見方が多い。このため、日銀の各支店が地域の中小企業から賃上げの聞き取り調査を進めてきた。

大企業の賃上げ結果しか判明していなかった前回4月の支店長会議では、「地域の中小企業でも、昨年並みあるいはそれ以上の賃上げの動きが広がることが期待できる情勢にある」との報告が多くの地域から出ていた。

ロイター
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