世界経済は不安定な1年に、成長見通し低迷=WEF調査
世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に合わせて15日公表されたエコノミスト調査で、世界経済が今年、地政学的な対立やタイトな金融環境、人工知能(AI)の影響などによる不確実性と、成長見通しの低迷に直面すると予想されていることが分かった。会場で準備するスタッフ、13日撮影(2024年 ロイター/Denis Balibouse)
[15日 ロイター] - 世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に合わせて15日公表されたエコノミスト調査で、世界経済が今年、地政学的な対立やタイトな金融環境、人工知能(AI)の影響などによる不確実性と、成長見通しの低迷に直面すると予想されていることが分かった。
調査は官民から選ばれたチーフエコノミスト60人以上を対象に実施した。
対象者の約56%は世界経済が2024年に減速すると予想した。地域差が大きく、中国や米国では中程度かそれ以上の成長を見込む回答が半数以上だった一方、欧州は弱い成長か非常に弱い成長にとどまるとの見方が大勢だった。
南アジア、東アジア、太平洋の見通しはより前向きで、少なくとも中程度の成長を見込む回答が非常に多かった。
金利がピークを打ったとの主要中央銀行当局者の発言を反映し、調査対象者の70%はインフレ鈍化や労働市場の逼迫改善に伴い金融環境が緩和すると予想した。
AIが世界経済に与える影響については、94%が今後5年間で高所得国の生産性を大幅に押し上げると予想したのに対し、低所得国について同様の予想をしたのは53%にとどまった。