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9月ロイター企業調査:衆院選「来年」が半数、次期首相の適任トップは岸田氏

2023年09月14日(木)10時05分

 9月のロイター企業調査では、次の衆院選の適切な時期について「来年」との回答が半数を占めたが、「年内」との声も24%あった。写真は8月に都内で会見する岸田首相。代表撮影(2023年 ロイター)

Maki Shiraki

[東京 14日 ロイター] - 9月のロイター企業調査では、次の衆院選の適切な時期について「来年」との回答が半数を占めたが、「年内」との声も24%あった。対抗できる野党がないなどの理由で、5割近くが与党が議席数を維持すると予想している。次期首相にふさわしいと思う人物は岸田文雄首相が16%で首位だったが、「ふさわしいと思える人がいない」との回答が27%に上り、適任者不在とみる企業が多いことも明らかになった。

調査期間は8月30日から9月8日。発送社数は502、回答社数は248だった。

衆院選の適切な時期について「年内」と回答した企業からは「防衛力の予算規模や財源、マイナンバーカード問題などについて国民の判断を仰ぐべき」(窯業)との声があった。

最多は「来年」の50%で、「年内のほうが良いとは思うが、首相(にふさわしい)人材がおらず、とりあえず体勢を立て直してからと思うと来年か」(サービス)、「政治に閉塞感があり、自民政権の安定を考えると今ではないと思われる」(運輸)、「支持率が回復するまで解散はないのではないか」(同)といった意見が出ていた。

「再来年」との回答は17%で、選挙よりも優先すべき課題があるとの指摘が多かった。「適任者がいない中で政争をしても意味がない。今は少子化や円安、防衛外交など諸課題に専念して対応する時期」(小売)、「選挙は民主主義の根幹をなすものとして必須だが、一方で莫大な費用を使う。今は国民の生活に目を向け、国民の目線で国家予算の使途を検討すべき」(運輸・ユーティリティー)との回答があった。また「自民党に対抗する野党がない現状では、解散は政策実行が遅れるだけで無意味」(サービス)との声も聞かれた。

議席数については、与党が維持、または増やすとみる企業が過半数で、野党に対する厳しい意見が目立った。「増やす」との回答は5%で、複数が「野党がだらしなさすぎる」(サービス)(機械)とコメント。「維持する」と回答した企業(49%)でも、「現政権には期待を持てないが、野党はもっとひどい」(電機)、「有力野党がない」(小売)など、「野党に期待できない」(ガラス・土石)という意見が多数を占めた。

「減らす」との回答は29%で、代わりに日本維新の会が「議席を増やしそう」との声が複数あり、「自民プラス公明は大幅減が不可避だが、維新や参政党などを加えた改憲勢力は議席伸長が期待できる」(卸売)といった指摘が出ていた。一方で、「維新は何がしたいか不明」ながら「不肖の2世議員ばかりで得票率の上がらない自民党、不甲斐ない立憲民主党、集票力が落ちた創価学会とともに衰退気味の公明党」(サービス)との対比で票を伸ばしそうだとの意見もあった。

次期首相にふさわしいと思う人物の2位は河野太郎デジタル相で14%。3位には12%の菅義偉前首相が入った。石破茂自民元幹事長と高市早苗経済安全保障担当相は、いずれも8%で4位だった。

(白木真紀 グラフィック作成:照井裕子 編集:田中志保)

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