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アングル:FRB、利上げ軌道維持へ 雇用の伸び鈍化も賃金上昇や失業率低下で

2023年07月08日(土)03時36分

6月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を下回る2年半ぶりの小幅な伸びにとどまった。しかし、賃金の伸びは引き続き堅調で、失業率も小幅改善したことから、FRBが今月のFOMCで利上げに踏み切る公算が大きい。2013年、ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Jonathan Ernst/File Photo)

[ワシントン 7日 ロイター] - 7日発表された6月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を下回る2年半ぶりの小幅な伸びにとどまった。しかし、賃金の伸びは引き続き堅調で、失業率も小幅改善したことから、米連邦準備理事会(FRB)が今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る公算が大きい。

6月の非農業部門雇用者数は20万9000人増で、市場予想の22万5000人増を下回った。しかし依然としてコロナ禍前の10年間の月間平均の伸びである18.3万人を上回っている。

また、時間当たり平均賃金の前年比での伸びは4月以降、4.4%近辺で推移しており、米労働市場が引き続き売り手市場であることを示唆している。

バンガード・グローバル・グループのチーフエコノミスト、ジョセフ・デイビス氏とシニアインターナショナル・エコノミスト、アンドリュー・パターソン氏は、インフレをFRBの目標である2%に回帰させる上で、賃金の伸びは「引き続きFRBが快適と感じられる水準をはるかに上回っている」と指摘した。

インフレーション・インサイトのオメール・シャリフ氏は、4・5月分の米雇用者数の伸びが計11万人下方改定されたことで、過去3カ月の月間平均の伸びは24万4000人と、1年前の40万人超を下回ったという点で、6月の雇用統計は弱めの内容と指摘。ただ、一段と均衡の取れた労働市場に向けた進展は緩慢なペースという見方を示した。

雇用統計を受け、市場ではFRBが今月のFOMCでフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5.25─5.50%に引き上げるとの見方がほぼ織り込まれた。

労働統計局によると、FRBが利上げを開始した2022年3月以降、失業率は3.4─3.7%のレンジを推移している。FRB当局者は失業率約4%を、インフレを低下させるために十分な緩みが存在する水準とみなしている。

パウエルFRB議長は6月FOMC後の会見で「労働市場は引き続き非常にタイト」という見解を示しつつも、労働市場の需給バランス改善を示す「一定の兆候」があると述べていた。

ロイター
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