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シンガポール成長見通し不透明、インフレとの闘い終わらず=中銀

シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は5日、年次報告書を発表し、金融引き締め効果でインフレが鈍化しているとしつつ、短期的な成長見通しには「下振れリスクを伴う不確実性が残る」と警告した。資料写真、1月撮影(2023年 ロイター/Caroline Chia)
[シンガポール 5日 ロイター] - シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は5日、年次報告書を発表し、金融引き締め効果でインフレが鈍化しているとしつつ、短期的な成長見通しには「下振れリスクを伴う不確実性が残る」と警告した。
メノン長官は記者会見で、インフレとの闘いはまだ終わっていないと強調する一方、年末までにインフレ率は低下するとの見通しを示した。
2023年の総合インフレ率を4.5─5.5%と予想。従来の見通し(5.5─6.5%)から引き下げた。
コアインフレ率は2.5─3.0%になるとした。
長官は「特にインフレの勢いが再び加速した場合は」金融政策を調整する用意があると表明。「成長・インフレの動向を注視しており、上下双方のリスクに引き続き警戒している」と述べた。
シャンムガラトナム議長は報告書の中で、今年の国内総生産(GDP)成長率はレンジ(0.5─2.5%)の中間になると予想。22年は3.6%だった。
金融政策は引き続き「中期的な物価安定にしっかりと焦点を当てている」とした。
MASは報告書で、インフレ率は「広範に緩やかになる経路」にあり、今年第1・四半期の5.4%に対し、5月は4.7%に低下したと指摘。一方でシンガポールは世界経済の影響にさらされており、当面は不透明な状況が続くとした。