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アルツハイマー薬、メディケアの全面適用に期待=イーライリリー

4月21日、米製薬大手イーライリリーの幹部はロイターのインタビューで、新たなアルツハイマー病治療薬について今後よりはっきりした効果を示す治験結果が公表され、高齢者向け公的医療保険「メディケア」の全面的な適用が受けられるようになるとの期待を示した。2021年3月、米ニュージャージー州の工場で撮影(2023年 ロイター/Mike Segar)
[21日 ロイター] - 米製薬大手イーライリリーの幹部はロイターのインタビューで、新たなアルツハイマー病治療薬について今後よりはっきりした効果を示す治験結果が公表され、高齢者向け公的医療保険「メディケア」の全面的な適用が受けられるようになるとの期待を示した。
イーライリリーはアルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」の治験結果を6月末までに公表する予定。エーザイとバイオジェンが開発している「レカネマブ」も数カ月中には追加試験データが明らかになる見通しだ。
レカネマブは既に米食品医薬品局(FDA)の迅速承認を獲得しており、7月までに全面的な承認を受ける予定となっている。
こうした中でイーライリリーの政府戦略・連邦アカウント担当シニアバイスプレジデント、デレク・アセイ氏は「メディケアは、他の全てのFDA承認治療法と同等のカバレッジを(アルツハイマー病治療薬にも)提供してくれるようになると信じている」と語った。同社がメディケアの適用に関して楽観的な見解を表明したのは今回が初めて。
現在の枠組みでは、アルツハイマー病治療薬にメディケアが適用されるのは、臨床試験に登録した患者に限定される。
このため製薬業界や患者団体は、適用制限を緩和するよう要望。アセイ氏も、今の枠組みのままではマイノリティーなど標準以下の医療しか受けられない多くの患者がアルツハイマー病治療薬を利用できないと訴えた。
一方でアセイ氏は、メディケアはドナネマブやレカネマブの「大量の」新しいデータを近く手に入れることになり、運営機関のメディケア・メディケイド・センター(CMS)が抱えるさまざまな疑問を解決する十分な証拠が集まるので、メディケア全面適用への道が開かれてもおかしくないと強調した。