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印アダニ・グループ、時価総額1000億ドル消失 金融システム不安も
インドの財閥アダニ・グループの中核企業アダニ・エンタープライゼズが総額25億ドルの公募増資を撤回したことを受け、2日のインド株式市場ではグループ傘下企業が軒並み急落し、1000億ドル以上の時価総額が吹き飛んだ。ボンベイ証券取引所前で1日撮影。(2023年 ロイター/Niharika Kulkarni)
[ニューデリー/ムンバイ 2日 ロイター] - インドの財閥アダニ・グループの中核企業アダニ・エンタープライゼズが総額25億ドルの公募増資を撤回したことを受け、2日のインド株式市場ではグループ傘下企業が軒並み急落し、1000億ドル以上の時価総額が吹き飛んだ。
市場では、インドの金融システム全体に影響が及ぶリスクが懸念されている。
アダニ・エンタープライゼズの株価は2日、27%下落して終了。グループ企業の株価も7─10%程度下落した。
アダニ・グリーン・エナジーが発行したドル建て債も過去最安値に急落。2024年9月償還債は11.69セント下落し60.56セントとなった。
プロフィットマート証券(ムンバイ)のリサーチ部門責任者は「アダニが機関投資家の信頼を取り戻せない限り、株価は暴落する」と指摘。
関係筋によると、インド中央銀行は国内銀行に対し、アダニ・グループへのエクスポージャーの詳細を報告するよう求めた。
CLSAの推計によると、アダニ・グループの昨年度の負債は2兆ルピー(245億3000万ドル)で、国内銀行はこのうちの約40%にエクスポージャーがある。
関係筋によると、シティグループのウェルス部門は、アダニグループの証券をマージンローンの担保として受け入れることを停止した。
トライアダ・キャピタル(香港)の最高投資責任者は、「市場は底値が見えないとの不安を募らせている。ショートカバーによる反発も見られるだろうが、マージンを減らす民間銀行が増えるとみられ、根本的な下落リスクが強まると予想している」と述べた。