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中国10月統計、鉱工業生産と小売売上高が予想下回る 景気に減速感

2022年11月15日(火)14時39分

中国国家統計局が15日発表した10月の鉱工業生産は前年比5.0%増加し、前月の6.3%増から伸びが鈍化した。写真は100人民元札、2016年3月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[北京 15日 ロイター] - 中国国家統計局が15日発表した10月の経済指標は、鉱工業生産の伸びが鈍化し、小売売上高が減少に転じた。厳格な新型コロナウイルス規制の長期化や不動産不況で経済の減速感が再び強まった。

1─10月の不動産投資も落ち込みが拡大、経済成長を支える柱の一つだった不動産部門の不振が深まった。

市場ではこのところ、コロナ感染対策の一部緩和や不動産セクターへの資金調達支援といったニュースが好感されているが、アナリストは厳格なコロナ対策が今後も経済活動を圧迫すると予想する。

ゴールドマン・サックスは「コロナ感染状況の悪化や不動産部門低迷の長期化、輸出の伸び減速が政策支援効果を上回る中、10月は経済活動の伸びが広範囲で鈍化して市場予想を下回り、第4・四半期が軟調なスタートを切ったことが示された」と指摘した。

鉱工業生産は前年比5.0%増加し、前月の6.3%増から伸びが鈍化した。ロイターがまとめたアナリスト予想の5.2%増も下回った。

10月の小売売上高は前年比0.5%減少した。上海市で全面的なロックダウン(都市封鎖)が導入されていた5月以降初めてのマイナスとなった。市場予想は1.0%増、9月は2.5%増だった。

10月は通常、国内旅行が活発になる時期だが、国慶節の連休も消費押し上げにはほとんどつながらなかった。

各地でコロナ感染が拡大したことでサービス業界が打撃を受け、飲食業の売上高は8.1%減と、9月の1.7%減から落ち込みが拡大した。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、Zichun Huang氏は11月に状況がさらに悪化すると見込む。「輸出が減速し、不動産部門の低迷が続き、ゼロコロナ政策が多くの人の期待より長く維持される可能性が高い中、短期的な見通しはさえない」と述べた。

ロックダウン(都市封鎖)などの行動制限が旅行業界や消費者信頼感に逆風となる一方で、政府はインフラ投資を強化してきた。

1─10月の固定資産投資は前年比5.8%増加した。市場予想は5.9%増。1─9月は5.9%増だった。

一方、1─10月の不動産投資は前年比8.8%減と、1─9月の8.0%減から落ち込みが拡大。統計局のデータに基づきロイターが算出した10月の不動産投資は前年比16.0%減と、2020年1─2月以来の大幅な落ち込みとなった。

ジョーンズ・ラング・ラサールのチーフエコノミスト、ブルース・パン氏は「脆弱な中国経済を活気づけるために新たな内需支援策が必要なのは明らかだ。家計所得やマクロ経済に関する見通しがなお弱いため、消費と不動産投資が依然足を引っ張っている」と述べた。

企業が財務状態について懸念を強める中、採用活動は低調なままで、10月の調査に基づく全国の失業率は5.5%と、9月と同水準にとどまった。若年層の失業率も横ばいの17.9%だった。

ロイター
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