ニュース速報

ビジネス

中国恒大創業者、高級住宅や美術品から資金捻出 当局の指示受け

2021年11月17日(水)15時30分

 中国不動産開発大手、中国恒大集団が債務の返済に追われる中、同社の創業者である許家印・董事局主席(写真)は、美術品、書道作品、高級住宅2軒といった資産から資金を捻出している。11月16日、関連資料や関係筋の話で明らかになった。2016年3月撮影(2021年 ロイター/Bobby Yip/File Photo)

[香港 16日 ロイター] - 中国不動産開発大手、中国恒大集団が債務の返済に追われる中、同社の創業者である許家印・董事局主席(63)は、美術品、書道作品、高級住宅2軒といった資産から資金を捻出している。関連資料や関係筋の話で明らかになった。

これとは別の関係筋2人がロイターに先月明らかにしたところによると、中国当局は許氏に対し、個人資産の一部を債券保有者への支払いに充てるよう指示していた。

香港の土地登記処に提出された資料によると、許氏は10月に中国建設銀行からの融資に対して香港の高級住宅地・山頂(ピーク)にある約5000平方フィートの豪邸の1軒を抵当に入れた。

地元メディアによると、延滞していた恒大債券の返済のために約3億香港ドルが調達された。

また土地登記処によると、2017年にアジアで最も裕福な男性にランクされた許氏は11月8日、ピークにある2軒目の高級住宅をオリックス・アジア・キャピタルの抵当に入れた。金額は明らかになっていない。

香港のきらびやかな高層ビルを一望できるこれらの物件は、不動産業者によると、それぞれ約8億香港ドルの価値があるという。

許氏と恒大からはコメントを得られなかった。

また、中国政府の報道対応部門、国務院新聞弁公室からもコメントは得られなかった。

事情に詳しい関係筋によると、許氏は書道作品や美術品、そして幸運の象徴とされるコイに熱中し、数千万元を費やしたという。

この関係筋によると、恒大は許氏の指示で一部の美術品や書道作品を売却しているという。

ロイターは今のところ、こうした美術品の売却によっていくら集まったのか、またその資金が何に使われたのかを把握できていない。

また関係筋によると、恒大はここ数週間でガルフストリーム・ジェットを2機売却したという。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は今月、恒大がプライベートジェット2機を米国の航空機投資家に売却して5000万ドル以上を調達したと報じた。

中国メディアの報道によると、許氏は6000万ドルの価値があると推定される60メートルのヨットと、エアバスのプライベートジェット機も所有している。

ロイターは許氏のヨットとプライベートジェットの保有を独自に確認できなかった。

許氏の純資産は2017年の約450億ドルから減少しているものの、先月発表された中国の長者番付「胡潤百富榜」2021年版では依然として113億ドルと推計されている。

しかし、許氏が個人資産の一部を売却する動きがあったとしても、調達した資金は南アフリカの国内総生産(GDP)にほぼ匹敵する3000億ドル超の恒大の負債に比べれば微々たるものだ。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とマスク氏ら、仏で有罪判決のルペン氏に支

ビジネス

中国が対抗措置、全ての米国製品に34%の追加関税 

ビジネス

アングル:長期金利急低下、米関税でパニック買いも 

ビジネス

アングル:日本株底入れまだ先か、上値抑制の「逆パー
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描かれていた?
  • 2
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 5
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世…
  • 6
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 7
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 8
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 9
    テスラが陥った深刻な販売不振...積極プロモも空振り…
  • 10
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中