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日銀の3月末国債保有残高、前年比増加額が50兆円割れ 4年4カ月ぶり
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4月4日、日銀が3月末に保有する国債残高は、前年同月に比べて約48.6兆円(額面ベース)の増加にとどまり、増加額は2013年11月以来約4年4カ月ぶりに50兆円の大台を割り込んだ。写真は都内ビジネス街に揺れる国旗。2016年2月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 4日 ロイター] - 日銀が3月末に保有する国債残高は、前年同月に比べて約48.6兆円(額面ベース)の増加にとどまり、増加額は2013年11月以来約4年4カ月ぶりに50兆円の大台を割り込んだ。
日銀が3日に公表した「日本銀行が保有する国債の銘柄別残高」によると、3月30日現在の保有国債残高は416.4兆円と前月末に比べて2.3兆円減少した。2月28日に通告した「残存25年超」の買い入れから、金額を100億円減額して700億円としたことや、奇数月で変動利付債の買い入れがなかったことなどが影響したとみられている。
日銀は、10年債利回りがゼロ%程度で推移するよう、長期国債を年間残高増加額を約80兆円を「めど」としつつ、買い入れを行う「イールドカーブ・コントロール(YCC)政策」を進めている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券・シニア債券ストラテジストの稲留克俊氏は、「日銀が着々と国債市場から撤退しているYCC政策は良くできた枠組み」との見方を示した。その上で、「流動性やボラティリティーの低下などの悪影響を踏まえると、国債市場に対する日銀の介入度合いがまだ強すぎる。『めど』の表現が増加額の曖昧さを醸し出しているが、黒田総裁は問題が生じていないと強調しているため、日銀新執行部体制でも当面、このままの表現で続けるのではないか」との見方を示した。
(星裕康)