ニュース速報

ビジネス

M&A、ビジネスに適合・リターン見込めるなら積極的に=JT社長

2018年01月17日(水)17時54分

 1月17日、JTの寺畠正道社長はロイターとのインタビューで、M&A(企業の合併・買収)の基本方針について「我々のビジネスに適合し、将来的にリターンがしっかり見込める案件があれば、リスクを取ってでも積極的にやっていく。敵対的買収はやらない」と述べた。写真は都内のJT本社。2016年5月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai/File Photo)

[東京 17日 ロイター] - JT<2914.T>の寺畠正道社長は17日、ロイターとのインタビューで、M&A(企業の合併・買収)の基本方針について「我々のビジネスに適合し、将来的にリターンがしっかり見込める案件があれば、リスクを取ってでも積極的にやっていく。敵対的買収はやらない」と述べた。

ロングリスト、ショートリストを複数持って、検討しているという。

ただ、「独禁法上、かなりいろいろなマーケットでぶつかって、1社単独で買収できないような案件を成就させるのは相当難易度が高い」と指摘。そのうえで「マーケットポートフォリオを拡充させていく方が、成功確率も高いし、時間も早い」とした。

市場では、英たばこ大手のインペリアル・ブランズを買収するのではないかとして取り沙汰されることも多い。インペリアルの買収については「個別案件についてはノーコメント」とした。

2018年度税制改正では、たばこ増税が決まった。紙巻きたばこは18年10月から4年で3回増税、加熱式たばこは18年10月から5年連続で増税となる。

寺畠社長は「インパクトは当然あるが、複数年にわたって先の税が読めるようになったことで、手が打ちやすくなった。どのような価格戦略を取っていくかは、競合の動きを想定しながら対応していく」と述べた。

紙巻きたばこの増税分の価格転嫁については「増税分は価格転嫁することを基本に考えている」とする一方、加熱式たばこについては「100%同じように動くかは、今、お答えできない。加熱式たばこは新しい仕組みになるため、どのレベルにしていくかは各社とも模索していくことになる」と述べた。

JTは、2018年上期から加熱式たばこ「プルーム・テック」の全国販売を開始する計画。寺畠社長は、加熱式たばこが国内たばこ市場に占めるシェアは、昨年末の10%台後半から2020年には30%まで伸びるとの見通しを示した。

加熱式たばこでは、フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「アイコス」が先行している。フィリップ・モリスによると、アイコス(ヒートスティック)のたばこ市場でのシェアは、昨年10月1日時点で14.6%。昨年7―9月期は、フィリップモリスの日本での販売は紙巻きたばこをヒートスティックが初めて上回った。

寺畠氏は1月1日付で執行役員社長に就いた。1985年の民営化後、最年少の社長となる。3月の株主総会後の取締役会を経て代表取締役社長に就任する。

*この記事の詳細はこの後送信します。新しい記事は見出しに「インタビュー」と表示します。

(清水律子 浦中大我)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

欧州各国、米の「抜け駆け」を一斉批判 ウクライナ和

ビジネス

米新規失業保険申請、7000件減の21.3万件 小

ビジネス

米PPI、1月前年比3.5%上昇 予想上回る

ビジネス

日産の今期800億円の最終赤字、リストラ費用100
MAGAZINE
特集:ガザ所有
特集:ガザ所有
2025年2月18日号(2/12発売)

和平実現のためトランプがぶち上げた驚愕の「リゾート化」計画が現実に?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 2
    【徹底解説】米国際開発庁(USAID)とは? 設立背景から削減議論まで、7つの疑問に回答
  • 3
    吉原は11年に1度、全焼していた...放火した遊女に科された「定番の刑罰」とは?
  • 4
    【クイズ】今日は満月...2月の満月が「スノームーン…
  • 5
    夢を見るのが遅いと危険?...加齢と「レム睡眠」の関…
  • 6
    終結へ動き始めたウクライナ戦争、トランプの「仲介…
  • 7
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    駆逐艦から高出力レーザー兵器「ヘリオス」発射...ド…
  • 10
    便秘が「大腸がんリスク」であるとは、実は証明され…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 3
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ドラマは是枝監督『阿修羅のごとく』で間違いない
  • 4
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 5
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 6
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 7
    2025年2月12日は獅子座の満月「スノームーン」...観…
  • 8
    iPhoneで初めてポルノアプリが利用可能に...アップル…
  • 9
    「だから嫌われる...」メーガンの新番組、公開前から…
  • 10
    極めて珍しい「黒いオオカミ」をカメラが捉える...ポ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 9
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中