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米GDP第1四半期改定値0.7%減、貿易赤字拡大で下方修正

2015年05月30日(土)04時09分

 5月29日、第1・四半期の米GDP改定値は前期比0.7%減に下方修正された。写真はニューオーリンズ港で2010年6月撮影(2015年 ロイター/Sean Gardner)

[ワシントン 29日 ロイター] - 米商務省が29日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値は、年率換算で前期比0.7%減となり、速報値の0.2%増から下方修正された。当初の推計より貿易赤字が大きく、企業在庫が少なかったことが主な引き下げ要因だった。市場予想は0.8%減だった。

第1・四半期は異常な大雪やドル高が経済活動の足かせとなった。

市場は第2・四半期のGDPを約2%増と予想しており、今年上半期の成長率は2011年以来の低い水準にとどまる見込みだ。

ただエコノミストは、軟調な数字を額面通り受け止めない方が良いと指摘する。第1・四半期は一時的な要因で経済活動が落ち込んでおり、季節変動を調整する計算方法にもゆがみがあると主張している。

支出面に着目したGDPがマイナスに沈んだのに対し、所得面から経済活動を把握する国内総所得(GDI)は1.4%増となった。

この日に発表された他の経済指標では、ロイター/ミシガン大学が集計した5月の消費者信頼感指数確報値は90.7となり、予想を上回ったものの、景気現況指数は100.8と、2014年10月以来の低水準、消費者期待指数は84.2と、2014年11月以来の低水準を付けた。

このほか、シカゴ地区購買部協会が発表した5月の景気指数は46.2と、予想の53.0を下回り、今年2月以来の低水準となった。同指数は50が経済活動の拡大・縮小の分岐点となる。

ただ、コメリカの首席エコノミスト、ロバート・ダイ氏は、「米経済はわれわれが望ましいと考える水準よりもぜい弱ではあるが、第1・四半期の数字は誇張されている」とし、「連邦準備理事会(FRB)が9月の利上げに踏み切るために十分な雇用の伸びは得られると予想している」と述べた。

第1・四半期は、西海岸の港湾労働争議やドル高の影響で貿易赤字が拡大。速報値では貿易赤字がGDPを1.25ポイント引き下げたと試算されていたが、改定値では1.90ポイントとなった。

企業在庫高は速報値の1103億ドルから950億ドルへ下方修正され、GDPへの寄与度は0.74%ポイントから0.33%ポイントへ改定された。

第1・四半期は、原油安でシュルンベルジェ やハリバートンなど石油関連企業が設備投資の削減を強いられ、エネルギー業界の企業投資は急減した。そのほか、エコノミストは、例年にない厳しい冬の気候が、GDP伸び率を少なくとも1%ポイント引き下げたと試算している。

一方、国内最終需要は0.1ポイント上方修正の0.8%増なった。機器の設備投資も大幅に引き上げられた。

住宅以外のインフラ投資(石油探索・掘削を含む)は速報値の23.1%減から20.8%減へと上方修正された。鉱業や石油探索、立坑・油井への投資は48.6%減と、09年第2・四半期以来の大幅下落だった。

GDPの3分の2以上を占める個人消費支出は0.1ポイント下方修正の1.8%増となった。原油安で家計の可処分所得は増え、貯蓄が大きく伸びており、個人消費は今後上向く可能性がある。

*内容を追加して再送します。

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