ニュース速報

豪中銀、政策金利を据え置き 明確なハト派シフト示さず

2019年02月05日(火)15時54分

[シドニー 5日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は5日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを1.50%に据え置くことを決定した。据え置きは市場の予想通り。

ロイター調査では、エコノミスト40人中39人が据え置きを予想していた。

中銀は、中立的なスタンスを維持したが、国内外の景気に下振れリスクがあることを認めた。

経済成長率とインフレ率の予測は下方修正。利上げ時期が遠い将来になることを示唆した。

市場では、中銀の声明文が予想ほどハト派的ではなかったとの見方を背景に、豪ドルが急伸したが、金利先物市場は引き続き年内の利下げ確率を五分五分と想定している。

ロウ総裁は声明で「(国内経済は)世界の状況と同様に、下振れリスクが幾分拡大した」と指摘。「家計支出の見通しや一部の都市における住宅価格下落の影響が、引き続き国内の主な不透明要因となっている」との認識を示した。

ただ、米連邦準備理事会(FRB)とは異なり、明確なハト派姿勢は示さなかった。

豪中銀は一段の金融緩和に消極的で、次の金利変更は利上げになるとの見通しを繰り返し示している。

今回の声明では、今後の金利変更が利上げ・利下げのどちらになるかには言及しなかったが、6日に予定されているロウ総裁の講演や中銀が8日発表する四半期報告が手掛かりになるとみられる。

今回の声明では、豪経済は今年約3%成長する公算が大きいと指摘。前回の「3%を若干上回る」から小幅に下方修正した。

物価については「上昇は緩やかになり、これまでの想定よりもやや長い時間がかかる可能性が高い」と分析。失業率については「今後数年間で4.75%にさらに低下することが見込まれる」との予想を維持した。

ロウ総裁は「労働市場は力強さを増しており、賃金の伸びが幾分上向いている。これは歓迎すべき動向だ」と楽観的な見方を維持。「労働市場の改善によって賃金の伸びはいずれ、さらに幾分押し上げられるはずだが、これは依然として緩やかなプロセスとなる見通しだ」との見方を示した。

ウエストパックの為替ストラテジスト、ショーン・キャロウ氏は「(中銀は)雇用市場の引き締まりを踏まえると、金利据え置きが正当化できるとまだ自信を持っているようだ。疑心暗鬼には陥っていない」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
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