コラム

「日本会議」は衰退するのか?──神社本庁全面敗訴の衝撃

2021年04月01日(木)19時40分

次に、2016年参院選挙全国比例の状況を見てみる。

furuya20210401121803.png
筆者制作

この年の参議院選挙で日本会議は山谷えり子候補に推薦を出したが、山谷候補は約250,000票を獲得して当選するも、やはり保守業界やネット右翼業界では著名な青山候補(自民)、片山候補(自民)、宇都候補(自民)、山田候補(自民)に対比させれば、日本会議推薦候補と保守系日本会議非推薦候補の彼我格差は、250,000対1,163,000で、その対比は2013年と同じように1:4.7程度となる。

要するに、日本会議は会員数4万人の小所帯ながら、頑張ってはいるものの非日本会議推薦候補に1/5程度劣後するのである。

当然、2013年の有村、2016年の山谷候補の得票は100%日本会議会員が投票したものでは無いので、このデータに含んでいない当時の「次世代の党=日本のこころ」を加味すると、この彼我格差は実質的にはさらに拡大しよう。そうすると、日本会議の「チカラ」というのは、おおよそ好意的に評価しても約10万~15万とみてよい。そもそも「4万人」しか居ない日本会議の国政選挙における影響力とは、この程度のものなのである。

よって筆者は、そもそも日本会議のチカラというのは、小なりと言え存在するが、保守界隈やネット右翼にそこまで強烈に訴求する量的勢力を確保していない、と判断する

ではなぜ、第二次安倍政権や菅政権の閣僚の多くが日本会議の関連団体である「神政連」に参画しているかというと、衆院小選挙区・衆院比例ブロックや参院比例で、1000票、2000票の僅差で当落の明暗が分かれる状況も珍しくない中、1000票単位での政治力を持つ日本会議の「神政連」に参加しているのは小なりともメリットしかないからである

それを言えば、「日韓議員連盟」には与野党問わず膨大な国会議員が参画しているが、そのメンバーに於いて必ずしも韓国に対し融和的な思想を持ちえない議員までも含まれているのが証左である。

プロフィール

古谷経衡

(ふるや・つねひら)作家、評論家、愛猫家、ラブホテル評論家。1982年北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。2014年よりNPO法人江東映像文化振興事業団理事長。2017年から社)日本ペンクラブ正会員。著書に『日本を蝕む極論の正体』『意識高い系の研究』『左翼も右翼もウソばかり』『女政治家の通信簿』『若者は本当に右傾化しているのか』『日本型リア充の研究』など。長編小説に『愛国商売』、新著に『敗軍の名将』

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、自身のSNSに投稿された人種差別

ビジネス

アングル:インド「高級水」市場が急成長、富裕層にブ

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、リスク資産反発受け 円は衆

ワールド

トランプ氏、インドへの25%追加関税撤廃 ロ産石油
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 2
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 3
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南山」、そして「ヘル・コリア」ツアーへ
  • 4
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 5
    【台湾侵攻は実質不可能に】中国軍粛清で習近平体制…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 8
    「こんなのアリ?」飛行機のファーストクラスで「巨…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    心停止の8割は自宅で起きている──ドラマが広める危険…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 10
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story