「日本会議」は衰退するのか?──神社本庁全面敗訴の衝撃
次に、2016年参院選挙全国比例の状況を見てみる。
筆者制作
この年の参議院選挙で日本会議は山谷えり子候補に推薦を出したが、山谷候補は約250,000票を獲得して当選するも、やはり保守業界やネット右翼業界では著名な青山候補(自民)、片山候補(自民)、宇都候補(自民)、山田候補(自民)に対比させれば、日本会議推薦候補と保守系日本会議非推薦候補の彼我格差は、250,000対1,163,000で、その対比は2013年と同じように1:4.7程度となる。
要するに、日本会議は会員数4万人の小所帯ながら、頑張ってはいるものの非日本会議推薦候補に1/5程度劣後するのである。
当然、2013年の有村、2016年の山谷候補の得票は100%日本会議会員が投票したものでは無いので、このデータに含んでいない当時の「次世代の党=日本のこころ」を加味すると、この彼我格差は実質的にはさらに拡大しよう。そうすると、日本会議の「チカラ」というのは、おおよそ好意的に評価しても約10万~15万とみてよい。そもそも「4万人」しか居ない日本会議の国政選挙における影響力とは、この程度のものなのである。
よって筆者は、そもそも日本会議のチカラというのは、小なりと言え存在するが、保守界隈やネット右翼にそこまで強烈に訴求する量的勢力を確保していない、と判断する。
ではなぜ、第二次安倍政権や菅政権の閣僚の多くが日本会議の関連団体である「神政連」に参画しているかというと、衆院小選挙区・衆院比例ブロックや参院比例で、1000票、2000票の僅差で当落の明暗が分かれる状況も珍しくない中、1000票単位での政治力を持つ日本会議の「神政連」に参加しているのは小なりともメリットしかないからである。
それを言えば、「日韓議員連盟」には与野党問わず膨大な国会議員が参画しているが、そのメンバーに於いて必ずしも韓国に対し融和的な思想を持ちえない議員までも含まれているのが証左である。
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