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数学界の最高栄誉「フィールズ賞」受賞者の頭脳と胸中、日本人数学者と賞の歴史
オックスフォード大のジェームズ・メイナード教授(35)は、素数の出現パターンに関する業績が評価されました。
メイナード教授は「私の生き方は、物事を1歩ずつ進めること。選択肢が示されたときは、最も魅力的なものを選んできた」と語ります。単純な整数を扱う「数論」は、一見簡単に見えても、解き明かすためには現代数学のあらゆる分野の情報が必要になるところが特に魅力的だといいます。
まず問題の一部を理解することから始めて、次に技術的な面で改善できるかを調べるというメイナード教授は、「有名な難問でも、迂回することで実現可能な方法を見つけることができる」と語ります。
「数学を学生に教えることは、自分が分かっていると思っていたことを見直す機会になる」と教育にも力を注ぎ、「数学は計算ではなくアイディアであることを理解してもらうことが重要」と強調します。
「役に立つから」ではなく「数学は楽しいから」と子供たちを誘導すべき
ジュネーブ大とフランス高等科学研究所の両方に所属するユーゴー・ドゥミニユ=コパン教授(36)の受賞理由は、相転移の確率論に関する長年の議論を解明したことです。
はじめは天文学に興味があり、大学院になってから数学研究の面白さを実感して数学者になろうと思ったコパン教授は、研究対象に「美しさと段階を踏めること」を求めます。「美しさを感じることは創造性を発揮するために、段階を経ることは長期的な目標を達成するために必須だから」と説明します。
コパン教授は、子供時代に国語が嫌いでも大人になって文学が好きになる人がいる一方で、かつて数学が嫌いだった人は大人になっても嫌いなままであることを憂慮します。原因は数学が実用的なツールとして考えられている点にあると分析し、「文学の美しさや楽しさが多くの人々に共有されているように、数学の美しさや楽しさも多くの人々が触れられるようにすべきだ」と力を込めます。
そのためには、大人たちは子供に「数学は役に立つから」と言って学ぶように説得するのではなく、「数学は楽しいから」と言って自発的に学びたくなるように誘導すべきだと語ります。
ノーベル賞との違い
フィールズ賞はアーベル賞とともに、数学者が獲得できる最高の栄誉とされています。ノーベル賞と比較されることが多いですが、①受賞年の1月1日より前に40歳の誕生日を迎えたものは候補となれない、②人物に対して送られるため生涯に一回しか受賞できない、③賞金はノーベル賞の約1億円に対しフィールズ賞は約200万円、などの違いがあります。
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