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数学界の最高栄誉「フィールズ賞」受賞者の頭脳と胸中、日本人数学者と賞の歴史
ただし、年齢制限については、過去に一例だけ例外があります。
オックスフォード大のアンドリュー・ワイルズ教授は、1998年に「特別表彰」という異色の形で受賞しました。ピエール・ド・フェルマーの死後、約330年も未解決だった「フェルマーの最終定理」を完全に証明したという業績があまりにも偉大だったからです。
ワイルズ教授は10歳の時にフェルマーの最終定理に出会って、数学の道を進み始めました。証明が正しいと確認されたのは42歳の時で、45歳でフィールズ賞特別表彰を受けました。
日本人数学者では、過去に3人がフィールズ賞を受賞しています。
プリンストン高等研究所や東京大で研究した小平邦彦教授は、調和積分論や二次元代数多様体(代数曲面)の分類などによる功績で1954年に受賞しました。「複素多様体」という研究分野を切り開き、数学だけでなく物理学の素粒子論などにも大きな影響を与えました。
ハーバード大や京都大に所属した広中平祐教授は、代数幾何学が専門です。「代数多様体の特異点の解消」および「解析多様体の特異点の解消」を発表し、4次元以上の一般解を与えた業績により1970年に受賞しました。
同じくハーバード大や京都大に所属した森重文教授は、広中教授の弟弟子にもあたります。代数幾何学が専門で、「3次元代数多様体の極小モデルの存在証明」によって1990年に受賞しました。2015~18年には、国際数学連合の総裁をアジア人として初めて務めました。
考えられる日本人4人目の受賞者は?
次回の2026年には、36年ぶりとなる4人目の日本人受賞者が現れるでしょうか。4年後なので若手数学者を予想することは難しいですが、例外的な特別表彰があるとしたら可能性がある人物がいます。
京都大学数理解析研究所の望月新一教授は、数論の未解決の難問「ABC予想」の証明を2012年に成し遂げたと発表しました。
2021年には8年半もの査読期間を経て、『PRIMS』誌に論文が掲載されました。PRIMSは京都大数理解析研究所が編集する論文誌だったこと、証明には望月教授自身の構築した「宇宙際タイヒミュラー理論」という独自性の高い方法を用いられたことより懐疑的な意見もありますが、「反論は出尽くした」という見方が強まっています。
望月教授は2012年の時点で43歳、現在は53歳ですが、「完全に証明された」と認められればフィールズ賞特別表彰の可能性は十分に高いと言えます。
4年に1度なこと、若手が主な対象でありながら偉大な業績に対しては年齢に関係なく評価されることなどを鑑みると、フィールズ賞はノーベル賞よりもオリンピックに似ているのかもしれません。近年、日本人選手はオリンピックで目覚ましい活躍をしています。数学の分野でも、日本発で世界を変えるような研究が現れることを期待しましょう。
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