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解剖実習遺体からプリオン検出の意味、プリオン病の歴史とこれから
プリオンを構成するタンパク質自体は、プリオンタンパク質(Prion Protein、PrP)と呼ばれ、感染型と非感染型の両構造を取り得る物質として扱われます。プルシナー教授はプリオン研究の業績により、1997年にノーベル生理学医学賞を受賞しました。
ヒトに発生するプリオン病は、100万人に1人の確率で原因不明に起こる孤発性、プリオンタンパク質を作成する遺伝子の異常による家族性、他の人や動物から感染する獲得性の3種類に分類されます。ヒト以外の動物では、ウシやヤギ、ヒツジ、ネコ、ミンクなどで見られます。
この中で、予防や対策が可能なのは獲得性のプリオン病です。
たとえば、ニューギニアの高地に住むフォレ族には、歩行障害の後に数年以内に死亡するクールー病(Kuru)という風土病がありました。女性や子供の発生が多く、成人男性の8~9倍にも及びました。
当初は遺伝性疾患と考えられていましたが、1950年代から60年代にかけて行われた研究で感染症、後のプリオン病と分かりました。
米国立衛生研究所のダニエル・カールトン・ガジュセック教授らは、クールー病はスクレイピーと類似性があることを指摘し、チンパンジーにクールー病患者の脳を摂取させる感染実験を行いました。チンパンジーは18~30カ月に患者と同じ臨床症状を示しました。未知の感染性因子が種を超えて獲得されたことを示したプリオン病の草創期の研究で、ガジュセック教授は76年にノーベル生理学医学賞を受賞しました。
結局、クールー病の原因は、フォレ族の食人の習慣(カニバリズム)でした。フォレ族は葬儀で遺体を食べる風習がありました。しかも、遺体の洗浄は女性や子供が担い、男性は食人をすると戦闘能力が弱まると考えられていました。
時代とともに、警察の監視やキリスト教の布教でカニバリズムがなくなったことでクールー病の患者数は激減し、現在は2005年に死亡した患者以降の発生は見られていません。
通常のクロイツフェルト・ヤコブ病との違い
獲得性のプリオン病が広く一般に知られるようになったのは、「狂牛病」騒動からです。
狂牛病とはBSEの俗称です。BSEプリオンに牛が感染すると、脳組織がスポンジ状になり、異常行動、運動失調などを示した後に死亡します。
英国では85年から散発的に見られていましたが、牛の脳や脊髄などを原料とした餌が他の牛に与えられていたことが原因で、BSEの感染が広がりました。2000年末までに英国の牛のBSE発生数は約18万頭に達しました。
BSE感染牛を食べたことによると見られるヒトの変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発症者は、12年6月時点で英国が176人、その他の地域に50人です。発症後の平均寿命は13カ月でした。
感染から発症までの期間が数年あるので、牛肉が原因であると明確には言い切れません。しかし、96年に英国で初めて発症者が見つかったこと、通常のクロイツフェルト・ヤコブ病の平均発症年齢が60代後半なのに対して30歳未満の若者に多発したこと、BSEの原因となる異常プリオンが蓄積される「特定危険部位 (舌・ほほ肉を除く頭部、脊髄、回腸遠位部) 」を除去するようになって一般人の感染が見られなくなったことより、原因として強く支持されています。
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