最新記事

北朝鮮

北朝鮮に「自ら」拘束された米兵をアメリカで嘲笑う脱北女性、北に「殺された」ワームビア

North Korean Defector Speaks Out About Soldier Who Crossed Border

2023年7月19日(水)17時25分
キャサリン・ファン

北朝鮮に身柄を拘束された米兵は、2018年以降では初の、北朝鮮に身柄を押さえられたアメリカ人だ。2018年には、ブルース・バイロン・ローレンスが、中国から不法に北朝鮮入りしたのち、1カ月間にわたって拘束された。北朝鮮入りしたアメリカ人は他にもいるが、その後に置かれた状況はさまざまだ。拘留後の処遇は、北朝鮮側からの自主的な解放から、刑事罰を科されるケースまで幅広い。

今回のアメリカ軍兵士の越境行為は、北朝鮮とアメリカの緊張関係が続く中で起きたものだ。金正恩総書記が率いる北朝鮮はここ数年、核兵器や大陸間弾道ミサイルの開発を急ピッチで進めている。これに対しては、西側諸国からの批判や国際社会からの制裁措置が相次いでいるが、北朝鮮はますます暴走の度を強めている。

 
 
 
 

今回の米兵越境事件に関する議論に加わった脱北者はパク・ヨンミだけではない。北朝鮮を2度脱出し、現在はイギリスで保守党の政治家となったパク・ジヒョンは、今回のアメリカ軍兵士の身柄拘束をきっかけに、金正恩による大々的な反米宣伝活動が始まるだろうとの見方を示した。

「これは、北朝鮮による大々的な反米プロパガンダ・キャンペーンの開始につながる可能性が高い」とパクはツイートした。「私も若いころ、北朝鮮にやって来た外国人の記者会見を目にしたのを覚えている」

アメリカ人も逃げてきたがるほど素晴らしい国、北朝鮮というわけだ。

今回の越境行為が起きたのと同じ18日、アメリカ軍当局は、核兵器を搭載した米海軍の原子力潜水艦「ケンタッキー」が韓国の釜山作戦基地に入港したことを認めた。アメリカ軍の原子力潜水艦が韓国入りするのは実に42年ぶりのことだ。

(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ICC、ネタニヤフ氏とハマス幹部の逮捕状請求 米な

ビジネス

米年内利下げ回数は3回未満、インフレ急速に低下せず

ワールド

イラン大統領ヘリ墜落、原因は不明 「米国は関与せず

ビジネス

FRB副議長、インフレ低下持続か「判断は尚早」 慎
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 7

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 10

    「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中