最新記事

中台関係

接続水域に迫る中国艦船とインターセプトする台湾の船、衛星と無線がとらえた緊迫の睨み合い

Satellite Image Captures China Warship Standoff Around Taiwan

2023年4月12日(水)17時29分
ジョン・フェン

台湾に近い福建省福州市馬祖列島で試射を行う中国空母「山東」(4月8日) Thomas Peter-REUTERS

<台湾をぐるりと囲んで対峙する中台艦船。「平和と安定を望んでいるだけだ」と言う台湾側に対し、「平和と安定を損なうのは台湾独立だ」と中国側。一触即発の緊張が走る>

台湾周辺の海域を4月10日に撮影した衛星画像が、睨み合う中台の十数隻以上の海軍艦艇をとらえた。台湾を取り囲む海域で中国が行った軍事演習最終日の、緊迫の瞬間だ。

ベトナムのホーチミンに拠点を置き、海事問題を調査するジャーナリスト、ドゥアン・ダンが分析したこれらの画像には、台湾島の北西、東、南の沖合の5地点で演習を行う中国海軍の戦艦と、それに対峙する台湾の海軍および沿岸警備当局の船舶が捉えられている。台湾側は、領海内(海岸から12海里=約22.2kmの海域)への侵入を阻止しようと、警戒態勢を強化している。

【衛星画像】緊迫!台湾の周りで睨み合う中台艦船

中国共産党指導部は台湾を中国の一部だと主張しているが、2350万人が暮らす台湾を統治したことはない。

中国政府は4月8日、台湾周辺で3日間の軍事演習を行うと発表した。アメリカのケビン・マッカーシー下院議長が、訪米した台湾の蔡英文総統と会談したことに対する対抗措置だ。

中国は蔡を、「台湾独立」の推進を図る分離主義者と呼んでいる。蔡は、4月11日に台湾住民に向けて行った演説で、中国政府の反応について、「地域の大国として責任ある態度ではない」と軍事演習による威嚇を非難した。

ダンが分析した衛星画像は、欧州宇宙機関(ESA)の地球観測衛星「センチネル-2」によって撮影されたものだ。現地時間午前10時41分の時点で、少なくとも13隻に及ぶ、台湾と中国の艦船が威嚇しあっている様子がとらえられている。南側の海域でも、台湾の船舶5隻が対応している。

オンラインプラットフォームの「サブスタック」でニュースレター「サウスチャイナ・シー・ブリーフ(南シナ海報告)」を執筆しているダンによれば、このせめぎ合いはおおむね、台湾の接続水域内とその周辺で起きていたという。接続水域とは、一般に海岸線から12〜24海里の範囲であり、領海保全など複数の目的で、国家が一定の支配力を行使する海域を指す。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

4月末国内公募投信残高は前月比0.1%減の226.

ビジネス

ゆうちょ銀、3月末の国債保有比率は18.9%

ビジネス

みずほFGの今期純利益見通し10%増の7500億円

ビジネス

中国の複数行、高金利預金商品を廃止 コスト削減狙う
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 4

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 8

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中