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「得をするのはIS」──爆破テロへの報復、トルコがシリア北部などへの空爆を開始

2022年12月6日(火)12時37分
ジャック・デッチ(フォーリン・ポリシー誌記者)
トルコ軍

Murat Cetinmuhurdar/PPO/Handout via REUTERS

<トルコが11月19日、クルド人民兵組織が活動するシリア北部などへの空爆を3年ぶりに開始した。米政権の説得にもかかわらず、トルコは地上戦の可能性にまで言及しており、攻撃のやむ気配はない>

2019年以来となる今回の侵攻は、トルコの最大都市イスタンブールで11月13日に発生した爆破テロへの報復とされる。シリアでは、過激派組織「イスラム国」(IS)と戦うシリア民主軍(SDF)支援のため今も米軍900人が駐留。インフレ対策でエルドアン大統領が強硬化し、黒海の向こうではロシアのウクライナ侵攻が続くなか、トルコの攻撃を止めるのは19年当時より困難になっている。

「トルコの攻撃で誰より得をするのはISだ」と、SDFのマズルム・アブディ司令官は言う。空爆で既に北東部アルホールのIS収容施設や発電所が被害を受けており、SDFは対IS戦の布陣を変更してトルコに対処せざるを得ない。地域の不安定化と避難民の増加も懸念されている。

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