最新記事

アメリカ政治

チェイニー、トランプ同調候補者の阻止言明 選挙否定は「合衆国憲法への脅威」

2022年8月22日(月)15時11分
米共和党のチェイニー下院議員

米共和党のトランプ前大統領批判の急先鋒に立つ同党のチェイニー下院議員(写真)はABCテレビ番組で、2020年の大統領選挙が盗まれたと虚偽の主張を続けるトランプ氏に同調する共和党候補者を今年11月の中間選挙などで阻むと言明した。写真はワイオミング州 で16日撮影(2022年 ロイター/David Stubbs)

共和党トランプ前大統領批判の急先鋒に立つ同党のチェイニー下院議員は21日放送のABCテレビ番組で、2020年の大統領選挙が盗まれたと虚偽の主張を続けるトランプ氏に同調する共和党候補者を今年11月の中間選挙などで阻むと言明した。

インタビューは、チェイニー氏が16日、中間選挙に向けたワイオミング州の共和党予備選に大敗してから数日後に収録された。

チェイニー氏は、20年大統領選を否定する幅広い動きを阻止しなければ合衆国憲法の秩序が損なわれる恐れがあると指摘。「選挙の結果を否定する人々が選出されないようにするため、できることは何でもするべく集中していく」と述べた。「そうした人々を阻止していく。そうした人々に対抗する人たちを支援していく」とも語った。

同氏が阻止しようとする共和党候補や候補と見込まれる者の具体名には触れなかったが、自分の同僚である下院議員の何人かであることは認めた。

さらに共和党上院のテッド・クルーズ議員(テキサス州選出)とジョシュ・ホーリー議員(ミズーリ州選出)らが大統領選挙結果についての昨年1月の正式認定投票で反対を投じたことについて、憲法の秩序と構造を根本的に脅かす行動だと非難し、将来の公職への不適格者に成り下がったと言い放った。

トランプ氏の再選を阻止するためとしてチェイニー氏が検討を表明した24年大統領選出馬については、実際に決断する場合は共和党から出るのか、共和党以外からになるのか明らかにしなかった。

チェイニー氏はブッシュ(子)政権で副大統領を務めたディック氏を父に持つ共和党の大物で、昨年1月のトランプ氏支持者らによる議会襲撃を巡ってトランプ氏の責任を厳しく追及してきた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 4

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 5

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 9

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 10

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中