最新記事

中台関係

中国軍、台湾攻撃想定した異例の演習が最終日 弾道ミサイルの発射など地域に緊張

2022年8月7日(日)19時10分
台湾の軍艦

中国人民解放軍の台湾周辺での演習は7日、最終日を迎えた。ペロシ米下院議長の台湾訪問への対抗措置として8月4日から4日間の軍事演習は弾道ミサイルの発射など異例の規模となり、日本を含む周辺地域に緊張をもたらした。写真は台湾の軍艦。基隆港で6日撮影(2022年 ロイター/Jameson Wu)

中国人民解放軍の台湾周辺での演習は7日、最終日を迎えた。ペロシ米下院議長の台湾訪問への対抗措置として4日から4日間の軍事演習は弾道ミサイルの発射など異例の規模となり、日本を含む周辺地域に緊張をもたらした。

国営新華社通信によると、演習は7日正午(日本時間午後1時)に終了する予定。

中国は今回、台湾を取り囲むように6カ所に演習地域に設定。艦船や軍機が台湾海峡の中間線を何度も越えた。6日には台湾本島を攻撃する模擬演習を実施した。

台湾国防部(国防省)は7日、午前中に中国軍の複数の艦船や航空機、ドローン(無人機)が、台湾および海軍艦船への攻撃を想定した演習を行ったと発表した。

関係筋によると、7日午前に台湾海峡の中間線付近に中国と台湾の海軍艦艇約10隻が展開、中国の一部の船が繰り返し中間線を越えて台湾側に入った。ただ双方とも自制を示し緊張が高まる感じではなかったという。

台湾の蘇貞昌行政院長は7日、中国の軍事演習が地域の平和と安定を損ねたと改めて非難した。

中国は、ペロシ氏訪台を受け米国との軍上層部の対話や気候分野の協議など8分野の二国間対話も停止すると発表した。

ブリンケン米国務長官は6日、訪問先のフィリピンで、中国の措置は「無責任」と批判した。中国の危険で安定を損ねる行動について同盟国から懸念を聞いているとした上で、米国は冷静に対処していくと説明した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 8

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 9

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中