最新記事

戦争犯罪

「ロシア軍、ウクライナで人道・戦争犯罪」欧州安保協力機構が報告

2022年4月14日(木)09時16分
ウクライナ南部のマリウポリに作られた墓標

欧州安保協力機構(OSCE)はロシア軍がウクライナで戦争犯罪と人道犯罪を犯した証拠が裏付けられたとする専門家チームの報告書を公表した。 写真は4月12日、ウクライナ南部のマリウポリで撮影(2022年 ロイター/Alexander Ermochenko)

欧州安保協力機構(OSCE)は13日、ロシア軍がウクライナで戦争犯罪と人道犯罪を犯した証拠が裏付けられたとする専門家チームの報告書を公表した。

ウクライナ側でも、戦争捕虜の扱いなどを巡る「違反行為」が確認されたと指摘したが、ロシア側の違反行為は「性質と規模」においてこれをはるかに上回っているとした。

専門家チームはOSCE加盟57カ国のうち45カ国が先月、ウクライナにおける戦争犯罪などの証拠を収集し、国際機関に報告するために設置。ロシアは設置に反対した。

報告書は、ロシア軍による明らかな国際人道法違反が確認されたと指摘。3月9日に発生したウクライナ南部マリウポリの産院と小児病院への攻撃はロシア軍によるもので、戦争犯罪に当たるとの見解を示した。また、少なくとも300人が犠牲になったと見られているマリウポリの劇場への攻撃も戦争犯罪に当たるとした。

米国のマイケル・カーペンターOSCE代表は報告書について「ロシア軍がウクライナで行った非人道的行為が記されている」とし、「民間人を直接標的としたことに加え、医療機関への攻撃、レイプ、処刑、略奪、民間人のロシアへの強制連行などの証拠が記載されている」と述べた。

これに対しロシアのOSCE代表部はツイッターへの投稿で、報告書は「根拠のないプロパガンダのみに基づいている」と反論した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア戦車を破壊したウクライナ軍のトルコ製ドローンの映像が話題に
・「ロシア人よ、地獄へようこそ」ウクライナ市民のレジスタンスが始まった
・【まんがで分かる】プーチン最強伝説の嘘とホント
・【映像】ロシア軍戦車、民間人のクルマに砲撃 老夫婦が犠牲に


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 4

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 5

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 9

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 10

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中