水深60メートル、世界最深のプールで目にする「未知の世界」
Creepy Deep Dive
イメージ 7maru-iStock
<この夏ドバイにオープンしたギネス記録の新名所には「わくわくする」との声とともに、「不気味」という意見も>
船舶機関士のアブドラ・アルセナーニはダイビングが趣味。7月29日には「これから世界で一番深いプールにダイブする」と書いて、動画投稿サイトTikTok(ティックトック)に映像を投稿した。
水が黒っぽく見えることを除けば、どこにでもありそうな屋内プールだ。だがカメラが映し出したプール内部には「水中都市」が広がり、深淵へ続く筒状の道があった。
「僕はダイバーだから未知の世界を発見することにわくわくする」と、アルセナーニは本誌に語った。「ダイビングは俗世を離れ、心を解き放つ一種のセラピーでもある」
彼が潜ったのは7月アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにオープンした「ディープ・ダイブ・ドバイ」。60.02メートルの水深を誇り、既に「世界一深いプール」としてギネス世界記録に認定されている。
水中に沈む街を眺めながら
目玉は水中での町歩きだ。大きな窓がいくつも設けられ、潜りながら施設内の別のスペースにいる人々に手を振ることもできる。アルセナーニは動画を次々と投稿し、集合住宅や車の止まったガレージやビリヤード台を紹介した。
「ミニチュアの町が迎えてくれた。世界のどこにもないすごい体験だ。深く潜れば潜るほど面白くなった。水の中で自転車を漕いだりビリヤードで遊んだりできるんだ。本当に楽しかった」
音響・照明システムがムードを変え、6時間ごとにNASAが開発した装置や二酸化ケイ素を多く含む火山岩を用いて水をろ過し循環させている。飲食店やギフトショップも併設される予定だ。
もっとも動画に心躍る人ばかりではない。「めっちゃ怖い」と、あるTikTokユーザーはコメントした。「不気味」「プールじゃなくて原子炉だ」といった声もある。
恐ろしげに見えるのは当然。世界最深プールは酸素ボンベを使わないフリーダイバーが冒険を楽しみ、初心者がスキューバや素潜りに挑戦するダイビングスポットなのだ。浮き輪でぷかぷか浮いていたい人はよそを当たろう。