最新記事

対テロ戦争

米軍の撤退と共に壊走するアフガン軍部隊 支配地域広げるタリバン

Over 1,000 Afghan Troops Flee Taliban As U.S. Embarks on Final Withdrawal Stage

2021年7月6日(火)16時45分
エリザベス・クリスプ

バイデンの前任であるドナルド・トランプ前大統領は2020年の時点で、2021年5月1日までにアメリカ軍を完全撤退させることでタリバンと合意していた。だが、バイデン政権はこの合意よりも撤退が長引くことを示唆し、9月11日をめどに撤退を完了する方針を明らかにした。しかし結局、アメリカはこの期限を待つことなく、撤退を完了させるとみられる。

アフガニスタンに駐留するアメリカ軍の司令官であるオースティン・スコット・ミラー陸軍大将は、アフガニスタン軍への指揮権移譲を見届けるため、今後も同国にとどまる予定だ。

国防総省のジョン・F・カービー報道官は7月2日、記者団に対し、「我々のアフガニスタンにおける任務は続く」と述べた。「我々は、8月末までにアフガニスタンから撤退するとした大統領の指揮に従って、安全かつ秩序だった撤退を実施し続ける」

タリバンは、トランプ政権との交渉の一環としてアメリカ軍への攻撃を中止した。だがその間も、新たな地域に勢力を拡大し、アフガニスタンの政府および治安維持関連施設への攻撃は続けていた。

TOLOの報道によると、7月3日には、タリバンの兵士20人からなる武装勢力が、国境警備隊の詰所を攻撃したという。これは、アメリカ軍がバグラム空軍基地からの撤退を完了した翌日のことだ。

(翻訳:ガリレオ)

20240528issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月28日号(5月21日発売)は「スマホ・アプリ健康術」特集。健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

大和証G、26年度経常益目標2400億円以上 荻野

ワールド

イラン大統領と外相が死亡、ヘリ墜落で 国営TVは原

ビジネス

四半世紀の金融緩和、金利低下で企業経営の支えに=日

ワールド

南シナ海のスカボロー礁破壊、中国は国際調査受け入れ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 7

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 8

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 9

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中