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「演劇・音楽」分野に蔓延する差別 クラシック界に生きる黒人が起こした行動

Why I Made an R&B Opera

2021年4月15日(木)17時58分
スティーブ・ウォレス(歌手・作曲家)

映画の『ハル・キング』は、このような思いで制作した。始まりは、ある夜に見た夢だった。夢の中では、R&B歌手のアッシャーが19世紀っぽいフリル付きのゆったりしたブラウスに、ジーンズとティンバーランドのブーツという姿で戦場を駆け抜けていた。

そして、シェークスピアの戯曲『ヘンリー四世』と『ヘンリー五世』を現代風にアレンジした『ハル・キング』が生まれた。時代は50年代後半。舞台は米中西部のアフリカ系アメリカ人の町だ。この映画はあらゆる面でクラシックなオペラの伝統に忠実でありつつも、一見すると、都市における黒人の人生に光を当てる現代のミュージカル作品のように見えるだろう。

女優のビオラ・デービスは、テレビドラマ『殺人を無罪にする方法』でエミー賞に輝いたとき、受賞スピーチでこう述べた。「そもそも役がなければエミー賞を受賞することはできない」。これはアメリカの歴史で常に存在し続けてきた問題だ。

もちろん偏見には抗議するべきだが、真の変化は行動によって実現する。『ハル・キング』は、世界を進歩させる取り組みに貢献するための私なりの行動だ。

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