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弁護士の平均年収は4割減 過去十年で年収が上がった職業、下がった職業

2021年2月24日(水)14時00分
舞田敏彦(教育社会学者)

ただ、今の時代、弁護士の力を必要としている人は多いはずで、たとえば生活保護の申請同行などは今後爆発的に需要が増すだろう。高齢化の進行に伴い、終活関連業務(財産管理、遺言、相続等)へのニーズも多い。東京から、弁護士が1人もいない過疎地に移住し、この手の業務をこなして住民から愛されている若手弁護士のニュースがあった(関西テレビ、2020年12月16日)。

弁護士は都会に多く、田舎には少ないのが現実だ。<表2>は法曹の数が多い都道府県のランキングで、全国値を100とした%値が高い順に並べている。

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法曹の3割近くは東京に住んでいて、赤字の上位5位の都府県で56%が占められている。人口当たりの数にすると、東京は10万人あたり62人であるのに対し、高知はわずか3人だ。住民の高齢化率を考えると、上記の終活関連の業務は地方でニーズが大きいだろう。こうした偏りは是正すべきではないか。

住むところを変えるだけで、自身の存在意義の感じ方が大きく変わるかもしれない。過疎地に移住した、上記の若手弁護士が好例だ。コロナ禍の今、弁護士も東京脱出、地方移住の波に乗ってみるのもいいかもしれない。

<資料:厚労省『賃金構造基本統計』(2019年)
    総務省『国勢調査』(2015年)

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