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ポスト安倍決める自民党総裁選、14日午後に投開票 地方票も菅氏が過半数で優勢

2020年9月14日(月)13時48分

 9月14日、安倍晋三首相の後任を決める自民党総裁選が行われる。写真は2012年9月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

安倍晋三首相の後任を決める自民党総裁選が14日午後に行われる。立候補した3人のうち、主要5派閥の支持を取り付け、地方票で過半数を取ったと報じられた菅義偉官房長官が優勢とみられる。結果は午後3時半ごろ判明、新総裁は16日に首相に選ばれる。

自民党は午後2時から都内のホテルで両院議員総会を開く。菅氏のほか、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長が出馬しており、国会議員394票と47都道府県からそれぞれ3票ずつの141票、合計535票の獲得を争う。

自民党の総裁選は通常、地方議員と党員も投票を行う。しかし、今回は安倍首相の急な辞任表明を受け、新型コロナウイルス禍中で国政の空白を避ける必要あるとして、本格的な党員投票を見送った。両院議員総会で選出する簡易型の選挙となる。


党内7派閥のうち、5派閥は菅氏を支持。NHKの集計によると、地方票は菅氏が過半数の73票、石破氏が32票、岸田氏が9票を獲得している。

各3票を持つ47都道府県連の大多数で「予備選」を実施した。

結果は午後3時半前後に判明する見通し。その後、新総裁が自民党本部で記者会見する。

翌15日には自民党役員の新人事が発表される。16日には臨時国会が召集され、首相指名選挙を経て新内閣が発足する。

優勢とみられる菅氏は、7年8カ月続いた第2次安倍政権を官房長官として支え、「アベノミクスの継続」を訴えてきた。新型コロナ対策は感染防止と経済の両立を掲げ、第3次補正予算の編成にも前向きな姿勢をみせている。[nL4N2GA00L]。

菅氏は選挙期間中、消費税の引き上げを巡って発言が揺れることもあった。外交は安倍首相のように各国首脳と個人的な関係を築くやり方は「できない」とし、「自分型の外交姿勢を貫きたい」としている。[nL4N2G904E]

安倍政権で長く外相を務めた岸田氏は後継として長く注目されていたが、安倍氏から今回明確な支援を得られなかった。安倍政権の成果を評価しつつ、巨額の国債買い入れと大規模な財政出動に依存したアベノミクスの持続性や、格差が広がったことなど問題点も指摘している。

石破氏は森友・加計学園問題など、いわゆる安倍政権の「負の遺産」を批判するほか、円安誘導で株価は上昇したが実質国内総生産(GDP)が増えていない点などを問題視してきた。地方経済の活性化と持続性の確保に軸足を置いた政策運営を提唱している。

*一部の表記を修正して再送しました。

(竹本能文)

[ロイター]


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