最新記事

韓国社会

韓国サッカーKリーグ客席にラブドール 問題は人形の種類だけでなかった

2020年6月4日(木)21時38分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

いち早く開幕したことを誇らしく伝えるはずのKリーグの客席だったが…… Yonhap news / REUTERS

<新型コロナの影響で世界のスポーツ界がストップしているなか、いちはやく動き出した韓国だっだが......>

今年は新型コロナウイルスのパンデミックが勃発し、政治・経済・文化などあらゆる分野でこれまで遭遇したことのない状況に見舞われ、臨機応変に対応しなければならなくなった。

スポーツ界でも競技会場での感染対策などを徹底させようとしても、通常のように観客が来場すると社会的距離が保てないため、ひとまず「無観客試合」に踏み切る競技が増えている。

日本では、3月8日大阪で大相撲春場所が開催されたが、無観客で進められた。他にも、今月18日から再開予定の日本プロ野球界も、当面は無観客で行われる予定だ。その翌月、7月4日から始まる予定のサッカーJ1も無観客試合が発表されている。

しかし、がらんとした会場での試合は、選手たちも覇気が薄れてしまう。そこで、海外では観客席を埋めるこんなほほえましいアイディアは実施されている。

スタジアムの客席でパネルやぬいぐるみが応援

日本よりひと足早くプロ野球が開幕した台湾でも無観客で試合が開催されたが、等身大に人型パネルが設置され、観客席を埋めた。

また、かわいいぬいぐるみ応援団が登場したのは、お隣の国・韓国だ。5月5日に無観客試合でプロ野球が開幕したのだが、大田ハンファ・イーグルスのホーム球場であるハンファ生命イーグルス・パーク球場には、ファンが選手たちのためにぬいぐるみを送り、それらを客席に並べた。

これが話題となり、イーグルス球団はSNSを通じて「自分の代わりに観て」キャンペーンを行った。送られてきたぬいぐるみには、送り主の名札も付けられる。ハンファ・イーグルスのホーム球場試合がTV中継されるごとに増えていくぬいぐるみ応援団は微笑ましく、ファンではなかった人たちにも注目されるようになった。

このように、ほのぼのエピソードが話題となるなか、同じ韓国のプロサッカーKリーグでの無観客試合の対応が波紋を呼んでいる。

ことの発端は、5月17日にソウルワールドカップ競技場で行われたソウルFCと光州FCのKリーグ無観客試合にて、空席となった客席を埋めるため、マネキンが設置されたことだった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米金融当局、銀行規制強化案を再考 資本上積み半減も

ワールド

北朝鮮、核抑止態勢向上へ 米の臨界前核実験受け=K

ワールド

イラン大統領と外相搭乗のヘリが山中で不時着、安否不

ワールド

米・イランが間接協議、域内情勢のエスカレーション回
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 5

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 6

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 7

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 8

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 9

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中