最新記事

感染対策

ランニングや自転車、飛沫は遠くへ 最低10メートル開けて──仏スポーツ省が要請

2020年5月7日(木)16時00分
松丸さとみ

ランニングや自転車、飛沫は遠くへ

4月上旬、ある研究者がツイッターなどで発表した論文が、ランニングやサイクリングの愛好家の間で話題になり、さまざまなメディアでも取り上げられた。


Social Distancing v2.0: During Walking, Running and Cycling」(「ウォーキング、ランニング、サイクリング中の対人距離について」第2版)という未査読の論文で、ベルギーとオランダの研究者らによるものだ。


論文によると、ランニングやサイクリングなど人が高速で動く場合、スリップストリームと呼ばれる空気の流れや、人の動きによって、止まっている人と比べて飛沫がより遠くへ飛ぶようになる。そのため、新型コロナウイルスで一般的に必要とされている対人距離の1.5メートルでは適切ではなく、縦に並んでランニングやサイクリングをする場合、10メートル以上開けることが必要だとしている。

スポーツ省の判断は、こうした研究をもとにした可能性が高い。とはいえAFPは、パリなど人口密度の高い都市で、公道を走るランナーがどうやって他の人と10メートル以上開けられるのかは不明だと指摘している。また、これを守らなかった場合に、どういった罰則が科されるのかは明らかにされていない。

罰金が伴う厳しい外出規制の中で、屋外に出られる数少ない理由の一つがランニングであるため、パリではランナー人口がかなり増加しているようだ。4月上旬の週末には天候が良かったことも手伝い、パリ市内はランニングしたりウォーキングしたりする人たちで賑わったという。

フランス24によると、ちょうどその頃、フランス全土では1日の死者数が軒並み増加していた。このためパリ当局は4月7日、日中(朝10時~午後7時)の屋外でのランニングを禁止した。このため現在も、5月11日のロックダウン解除までは、この時間帯を避けないと屋外ではランニングできない状態になっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米貿易赤字、3月は0.1%減の694億ドル 輸出入

ワールド

ウクライナ戦争すぐに終結の公算小さい=米国家情報長

ワールド

ロシア、北朝鮮に石油精製品を輸出 制裁違反の規模か

ワールド

OPECプラス、減産延長の可能性 正式協議はまだ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中