最新記事

日本政治

東京五輪延期の追加費用負担に安倍首相が同意との報道、菅官房長官が否定

2020年4月21日(火)13時37分

菅義偉官房長官は4月21日午前の会見で、東京五輪・パラリンピックの延期に伴う追加費用を日本が負担することで安倍晋三首相と国際オリンピック委員会(IOC)が合意したという一部報道について、そうした事実はないと否定した。写真は都内の日本オリンピックミュージアム前にある五輪モニュメント。3月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato/File Photo)

菅義偉官房長官は21日午前の会見で、東京五輪・パラリンピックの延期に伴う追加費用を日本が負担することで安倍晋三首相と国際オリンピック委員会(IOC)が合意したという一部報道について、そうした事実はないと否定した。

官房長官は「組織委員会が延期発表の前にすでに公表している大会経費については、引き続き組織委員会、東京都、国で分担すると理解している」と説明。

国際競技連盟への支援など「延期に伴う追加コストについては、16日に開催されたIOCと組織委員会との会議で、延期コストを含む影響が共通の課題であることを確認し、今後共同で評価・議論していくことで合意したと承知している」との認識を示し、負担についての結論は出ていないことを強調した。その上で、組織委員会、東京都、国の今後の検討状況をしっかり注視したいと述べた。

複数の報道によると、五輪の1年延期で約3000億円規模の追加費用が見込まれている問題で、IOCが20日、「安倍晋三首相が、現行の契約条件に沿って引き続き日本が負担することに同意した」と明らかにしたという。

一方、昨日の米国市場で原油先物市況が暴落したことについて官房長官は「新型コロナウイルスの感染拡大により世界的に経済活動が停滞し、石油市場が不安定になっていることは承知している」と指摘。「市場の動きを注視しており、日本経済への影響をしっかりと見極めているところだ」と述べた。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が手術を受けた後、重体に陥っていると米CNNなどが報じている。官房長官は、報道は承知しているとした上で「我が国は日ごろから北朝鮮動向については重大な関心をもって情報収集分析に努めている。引き続き米国と連携しながら、関連情報の収集に努めていく」と述べた。

新型コロナウイルス感染を巡っては、日本医師会が医療機関ではサージカルマスクを月4億ー5億枚を使っているとしているが、菅長官は、各都道府県からの報告に基づき「医療機関に必要なマスクは月1億枚程度と承知している」と繰り返し、医師会試算の詳細は承知していないと述べた。

今朝の持ち回り閣議では、行財政改革の着実な推進の観点から、今回の緊急経済対策に盛り込まれた国民1人当たり10万円の給付を首相、閣僚ともに申請しないことを申し合わせたという。

(中川泉 編集:田中志保)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・コロナ抗議デモ拡大、トランプが反抗をけしかけ「ミシガンを解放せよ」
・米カリフォルニア州で新型コロナウイルス抗体検査 感染者、公式統計の40倍の可能性
・コロナの余波「食品値上がり」──世界的な買いだめと売り惜しみの悪循環
・夏には感染は終息する、と考えていいのか?


20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中