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香港デモ隊、怒りの矛先を「爆買い」中国人にも 数十人逮捕

2020年1月6日(月)10時29分

抗議活動が続く香港で5日、数千人が中国本土との境界に近い新界地区の上水で民主化を求めるスローガンを叫びながら行進し、転売目的で「爆買い」する中国本土の買い物客らに怒りの矛先を向けた。写真は1月5日、上水で撮影(2020年 ロイター/Tyrone Siu)

抗議活動が続く香港で5日、デモ参加者と警官隊が衝突し、数十人が逮捕された。この日の抗議活動では、数千人が中国本土との境界に近い新界地区の上水で民主化を求めるスローガンを叫びながら行進し、転売目的で「爆買い」する中国本土の買い物客らに怒りの矛先を向けた。

香港市民らは、こうした中国本土からの買い物客が物価を押し上げ、商店街を混雑させ、香港市民と中国本土の中国人との間で緊張が高まる要因になっているとして不満を募らせている。

この日のデモに参加した女子大学生(19)は「本土の中国人は香港にやって来てバッグで通りをふさいでしまう。家賃が上昇し、香港の物価が上昇した」と述べ、「香港に来る中国人が多過ぎることを政府に知って欲しい」と訴えた。

デモ参加者の中には家族連れもおり「香港を解放せよ」「愛国心があるなら中国本土で国産品を買え」などといったスローガンを叫びながら行進した。主催者側の推定によると、この日の参加者は1万人前後。一方、警察当局はピーク時でも2500人前後だったとの推計を明らかにしている。

行進終了後、主催者側が即時解散を命じたものの、黒い服をまとい、マスクをした参加者の一部が地区周辺に居残った。そこに機動隊が押し寄せ、参加者らを警棒で殴ったり、催涙スプレーを使ったりする場面が目撃されたが、何がきっかけて機動隊が出動したかは明らかになっていない。この衝突で数十人が逮捕され、2台の白いバスで連行された。

地区の多くの店は、閉まったままだった。

[香港 ロイター]


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