自動運転車、相次ぐ死亡事故で露見した問題 技術も人もよちよち状態
未熟なテクノロジー
ウーバーとテスラの衝突事故について、機械工学を専門とする米デューク大学のミッシー・カミングス教授は「彼らが使用しているテクノロジーは未熟である」ことを露呈したと指摘する。
テスラは、自社のテクノロジーについて、運転を向上させて命を救っていることが統計的に証明されているとしている。同社は3日、ロイターに対し、「オートパイロット」機能を使う際は、ドライバーには「車両のコントロールを維持する責任」があり、「警報音や視覚的な警告」に応じる態勢でいる必要があると答えた。
一方、ウーバーの広報担当者は「あらゆる面において、安全はわが社の最優先課題だ」と語った。
自動車の安全を訴える米消費者団体「Advocates for Highway and Auto Safety」は、上院に現在とどまっている自動運転車に関する法案について、安全性を向上させる上での好機と捉えている。同法案の当初の狙いは全く異なり、公道で人のコントロールなしに自動運転車を試験走行させることを迅速に許可することにあった。
同団体は自動運転車の基準を設けることを求め、法案の修正を提案している。例えば、自動運転車に搭載されているさまざまなセンサーが実際にどのように機能しているかをテストする「ビジョンテスト」を義務付けることなどだ。
法案には、現在対象となっているものより低いレベルの技術とされるテスラの「オートパイロット」のような半自動運転システムも含まれるべきだと同団体は考えている。
他の団体も自動運転車に関する提案を行っている。その中には、自動運転車だけでなく、半自動運転システムを搭載した車両が、性能目標を満たすことや、メーカーなどによる透明性やデータの向上、規制監督の厳格化、そして、人のドライバーへのモニタリングや関与の向上などが含まれている。