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EUフランス、イタリア、ベルギーなど公的債務がEU基準に違反する恐れ
11月22日、欧州委員会は、ユーロ圏6カ国が欧州連合(EU)財政基準を来年破る可能性があるとの見方を示した。写真はブリュッセルの欧州委員会本部、6月撮影(2017年 ロイター/Francois Lenoir)
欧州委員会は、ユーロ圏6カ国が欧州連合(EU)財政基準を来年破る可能性があるとの見方を示した。イタリア、フランス、ベルギーはEUが要求する水準に公的債務を減らすことができないとしている。
欧州委はギリシャを除くユーロ圏加盟国の2018年予算案を分析、各国の想定がEU基準に沿っているかを審査した。
ドイツ、リトアニア、ラトビア、ルクセンブルク、フィンランド、オランダ、エストニア、アイルランド、キプロス、マルタ、スロバキアの各国は完全、あるいは概して安定成長協定での規定に沿っているとした。
ベルギー、イタリア、オーストリア、ポルトガル、スロベニアは基準に沿わないリスクがあるとし、フランスも同様と指摘した。
協定での基準は国内総生産(GDP)比で財政赤字を3%以下、公的債務を60%以下とするよう求め、景気の影響を勘案しないベースでの財政均衡・黒字化を求めている。
債務削減も求めているが、フランス、ベルギー、イタリアは規定に沿ったペースで債務を削減していないとし、特にイタリアには懸念を表明した。「根強い高水準の政府債務が懸念」とし、来年春に再度削減度合いを評価する方針を示した。
財政赤字上限を10年にわたり上回っているフランスについて、今年は3%を下回る可能性があるが、構造赤字を来年、十分に減らさない場合は再び基準を上回るとの見通しを示した。
欧州委はユーロ圏19カ国に対し、総じて中立的な財政スタンスを推奨した。
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